MotoGP 第14戦アラゴンGPは、Movistar Yamaha MotoGPにとって非常に重要な一戦。マーベリック・ビニャーレスのホームGPであると同時にチームの冠スポンサー、Movistarの本拠地でもあり、またアジア、オセアニアの3連戦へ向かう前の最後のヨーロッパラウンドとなる。前回のミサノではマーベリック・ビニャーレスは、激しい雨のなかで2018年型シャシーを初めてトライして4位獲得と健闘。
第13戦終了時点でランキング3位につけ、残り5戦、合計125ポイント加算の可能性のなかでトップとの差はわずか16ポイントという状況だ。今回は起伏が激しく多くの高速コーナーを持つコースに合わせてマシンをセットアップし、日曜日の決勝に挑む。アラゴンでは2011年に125㏄クラスで3位、2013年にMoto3で2位、2014年にはMoto2で優勝を果たして合計3回、表彰台に上っている。昨年はMotoGPで4位と表彰台を逃しているため、今年はトップ3が目標となる。一方、怪我から17日ぶりにミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリでマシンを走らせたバレンティーノ・ロッシ。そのあとに行ったメディカル・チェックの結果を受け、出場の可能性に賭けてアラゴン行きを決定した。このあとモーターランド・アラゴンのメディカル・オフィサーによる診断でゴーサインが出れば出場が可能となる。前戦は欠場したバレンティーノ・ロッシだが、シリーズポイントではトップにわずか42ポイント差のランキング4位。負傷した脚の状態は未だ万全ではないものの、多くファンの前でYZR-M1に乗るチャンスを楽しみにしている。過去には2013年、2015年、2016年に3位を獲得して表彰台に上っている。フリープラクティスのなかで本人が出場不可能と判断した場合には、代役のWorldSBKライダーのM・ファン・デル・マークが出場することになる。事前テストは行っていないものの、この大きなチャレンジに前向きな姿勢を見せている。モーターランド・アラゴンはスペイン北部のアルカニス近郊に位置し、2010年からMotoGPの開催地に加えられ、その年にIRTAベストグランプリ・オブ・ザ・イヤーを受賞している。全長5.1㎞の高速コースに左コーナーが10、右コーナーが7、968mのロング・ストレートが設けられ、毎年、多くの熱狂的ファンが集まる重要なコースのひとつになっている。マーベリック・ビニャーレス「アラゴンは第2のホームレース。M1との相性もとてもいいので、今年もこの大会を楽しみにしています。私自身もコース・レイアウトが気に入っていて、速さを存分に発揮することができるのです。ランキングトップとの16ポイント差をできるだけ早く詰めるため、自分を信じて全力でプッシュしていきます。ミサノでは大きく前進することができたので、今回も好調をキープしたいと思います。そのためにも集中力が大切です」バレンティーノ・ロッシ「昨日、ミサノでYZF-R1に乗りました。一昨日もトライしたのですが、そのときは雨が降ってきてしまったので数ラップしかできませんでした。昨日は20ラップを走り、期待していたとおりの手ごたえをつかむことができました。このような良い結果を得ることができたのは、ドクター・ルシディとそのスタッフたちが走行中の脚の痛みを最大限に軽減してくれたおかげです。走行後には少し痛みもありましたが、今朝、ドクター・パスカレラのメディカル・チェックを受けて良い結果をもらい、アラゴンへ行く決意をしました。とは言え、M1に乗ることは依然として大きなチャレンジでもあるので、最初のフリープラクティスを終えてから、そのあとのことは判断したいと思っています。アラゴンで会いましょう!」マッシモ・メレガリ (チームディレクター)「チームとしてはバレンティーノとそのチーム・クルーたちがピットに戻って来るのを待っています。アラゴンGPは、タイトルスポンサーの本拠地で、ライダーがすべて揃い、チームとして'完全な状態'で臨むことが最大の願いです。モーターランド・アラゴンは起伏が激しく、体力的にはとても厳しいコースなので、バレンティーノにとっても決して簡単な決断ではありません。もしも怪我の影響が大きく出るようならば、ファン・デル・マークへの交代も依然として選択肢のひとつです。もしもそうなれば、彼が少しでも早くYZR-M1に適応できるように、チームとして全力で支えます。マシンのテストは行っていないので難しいことは間違いありませんが、一方で彼にとっては当然、楽しみでもあるでしょう。マーベリックはポイント・リーダーからわずか16ポイント。残りは5戦あるので、その差を詰めるために今回も優勝を目指していきます。彼の得意のコースで、ホームレースでもあるので、チャンピオン候補のひとりとしてハードにプッシュしていくでしょう」
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