2019年のMotoGP第8戦オランダGPが、6月28日(金)~6月30日(日)までの3日間、オランダ北東部に位置するTTサーキット・アッセンで開催される。オランダGPは、グランプリで最も長い歴史と伝統を誇り、今年で71度目の開催を迎える。グランプリの歴史において、第1回大会から同一サーキットで開催されてきたのはオランダGPのみ。伝統的に6月最終週の土曜日に決勝レースが行われてきたが、68回大会から、日曜日に開催されることになった。
長い歴史を誇るアッセンのコースレイアウトは、これまで数多の変遷をたどってきた。グランプリが開催された当初は、公道を使用する16.536kmのロングコースだったが、その後はマシンやタイヤの進化に合わせ、何度もコースが改修された。2006年には、コースの大幅な改修が実施され、長らく使用されてきた5.997kmのコースは4.555kmに短縮。コーナーの数も23から18へと少なくなった。5.997kmの旧コースは、高速コーナーが連続するリズム感あふれるレイアウトで、選手たちから愛されていた。現在の4.555kmのコースは、周回数を多くすることで、サーキットを訪れる観客やテレビの視聴者を楽しませようという、時代のニーズに合わせたものだが、旧コース同様、高速サーキットという特徴に変わりはない。フィリップアイランド(オーストラリアGP)、シルバーストン(イギリスGP)、ムジェロ(イタリアGP)に匹敵するこの高速サーキットは、流れるようにリズムある走りができることから選手たちから高い評価を得ている。また、パッシングポイントが多いことから、毎年、熱いバトルが繰り広げられる。その一方で、アッセンは天候が変わりやすく、ときに選手たちを悩ませます。目まぐるしく変化する天候は“ダッチウェザー”と呼ばれ、天候に合わせたセットアップがリザルトに大きく影響するため、チームと選手には集中力が求められる。今年の長期予報は、概ね、晴れ。レースウイークは、30℃前後の暑さが予想される。ここまで7戦を終えて、総合首位につけるマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、第2戦アルゼンチンGP、第4戦スペインGP、第5戦フランスGP、そして第7戦カタルニアGPで優勝している。そして、開幕戦カタールGPで2位、第6戦イタリアGPで2位と、4勝を含む6度の表彰台で総合首位をキープ。ホームGPとなった前戦カタルニアGPでは、5年ぶりの優勝を達成し、地元ファンの期待に応えた。決勝日の翌日に行われた公式テストでは、モディファイを受けたニューシャシーとニューカウルでの空力テスト、さらにタイヤテストなど多くのメニューをこなし、オランダGP、ドイツGPと続く今季初の2連戦に向けて準備を進めた。こうして、開幕戦からRC213Vのパフォーマンスを遺憾なく発揮してきたマルケスだが、ヨーロッパラウンドに入ってからは特に好調で、今季初の2連戦に挑む。昨シーズンは、この2連戦を完封してチャンピオン争いを有利にした。今年もオランダ、ドイツの2連戦を確実に走り切って、シーズン前半を締めくくる意気込みです。マルケスはこれまで、アッセンで通算5勝を挙げている。125ccクラス時代の10年に大会初優勝を達成。Moto2クラスでは、11年、12年と2年連続で優勝し、MotoGPクラスでは、デビューした13年に2位、14年の大会ではフラッグ・トゥ・フラッグの難しいレースを制した。15年は最終ラップの最終シケインでバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と接触して2位。惜しくも優勝を逃した。16年は再び不安定な天候で“フラッグ・トゥ・フラッグとなり、大荒れのレースの中で2位フィニッシュ。17年も“フラッグ・トゥ・フラッグ”となり、優勝争いに加わりながらもチャンピオンシップを優先、着実に走って3位でフィニッシュした。そして、天候に恵まれた昨年は、大集団となった優勝争いを制し、14年以来の優勝を達成。今年は大会2連覇を目指す。7戦を終えて総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に37点差。ミスのない戦いをすることはもちろんだが、マルケスならではの攻めの走りが期待される。7戦を終えて総合8位につける中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、今大会もトップ10フィニッシュを目指す。今年は開幕戦から好調で、転倒リタイアに終わったフランスGPを除き、すべてのレースでトップ10フィニッシュを果たした。第6戦イタリアGPではベストリザルトの5位でフィニッシュ。前戦カタルニアGPでは、16番手という厳しいグリッドからのスタートとなり、転倒者の多い難しいレースとなったが、粘り強い走りで8位でフィニッシュした。昨年の大会はリアのグリップ不足と旋回性に苦しみ、加えてシケイン不通過のペナルティーもあり19位に終わっている。アッセンは、Moto2時代の16年に初優勝を達成している得意のサーキット。今大会もトップ10フィニッシュはもちろんのこと、MotoGPクラスのベストリザルトに挑む。カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、7戦を終えて総合10位。今年は開幕戦カタールGPで大会初表彰台獲得となる3位でフィニッシュ。幸先のよいシーズンのスタートを切った。しかし、それからは不運のレースや転倒などもあり、思うような結果を残せていない。前戦カタルニアGPでは表彰台争いに加わりたが転倒リタイア。悪い流れに歯止めをかけるチャンスだったが、それを果たせなかった。これまでアッセンでは、3位表彰台に立った13年をはじめ、17年の大会では4位。昨年は8台に膨れあがったトップ集団の中で6位でフィニッシュした。アッセンでは、これまで表彰台にあと一歩というレースを何度も経験している。前戦カタルニアGP後のテストでは、セットアップの方向性を確認してこれからの戦いの準備を終えた。今大会の走りに注目される。今季、Repsol Honda Teamに移籍したホルヘ・ロレンソは、第5戦フランスGPの11位を最高位に総合15位と苦戦している。課題はコーナーリング。そのコーナーリングスピードに大きく影響するマシンのバンク角が不足しているロレンソだが、レースをこなす毎にタイヤのエッジグリップをうまく使えるようになり、コーナーリングスピードも上がってきた。本来の走りが出来れば、優勝候補の常連になる選手だけに、今大会の走りに大きな注目される。前戦カタルニアGPは痛恨の転倒でリタイア。今大会はその雪辱に挑む。今年はHondaにとって世界選手権参戦60周年を迎える。グランプリの長い歴史の中で、唯一、連続開催となっているアッセンでセレモニーが行われる。過去、アッセンでは、MotoGP(500cc)で21勝、250cc14勝、350cc6勝、Moto3(125cc含む)18勝、50cc3勝を挙げてきた。これまでグランプリ通算778勝を挙げているHo...
全文を読む