2019年 MotoGP 第4戦スペインGPが、5月3日(金)から5日(日)までの3日間、イベリア半島の南西部に位置するヘレス・サーキットで開催される。同サーキットは一周4.423km。バラエティーに富んだ大小13のコーナーのすべてがパッシングポイントと言っても過言ではなく、毎年、厳しい戦いが繰り広げられる。ヘレスは、1987年に初めてグランプリが開催された。以来、スペインGPの舞台として定着。同地で開催されるのは今年で32回目となる(88年はハラマで開催)。
ヘレスのあるアンダルシア地方は、一年を通じて温暖な気候で、2月下旬にはMoto2クラスとMoto3クラスのウインターテストが行われた。MotoGPクラスの公式テストは昨年11月に行われている。Repsol Honda Teamを始め、各チームともにヘレス・サーキットのデータは豊富で、初日からレベルの高い走りが繰り広げられそうだ。ホンダは、これまでヘレスで通算22勝を達成している。2012年はケーシー・ストーナー、13年はダニ・ペドロサ、14年はマルク・マルケスとRepsol Honda Teamが3年連続で優勝した。さらに、15年、16年は、マルケスが3位、2位と表彰台に登壇。17年はペドロサがポールトゥウインを達成し、マルケスが2位。18年はマルケスが14年大会以来、2度目の優勝を達成した。06年から13年連続でRepsol Honda Teamの選手は表彰台に立ち続け、Repsol Honda Teamの大会連続表彰台記録を更新した。今年は3年連続スペインGP制覇と同大会で通算23度目の優勝を目指す。3戦を終えて総合4位のマルケスは、スペインGPでは、MotoGPクラスにデビューした13年から表彰台に立ち続けてきた。13年は2位、14年に優勝、15年2位、16年3位、17年2位、そして昨年は大会2度目の優勝を達成。12年のMoto2クラス時代の2位を含めて7年連続で表彰台に立ち、地元スペインのファンの期待に応えてきた。今年は開幕戦カタールGPで2位、第2戦アルゼンチンGPで優勝と好調なシーズンのスタートを切ったが、第3戦アメリカズGPでは、トップを快走するも痛恨の転倒を喫し、リタイヤとなった。第3戦アメリカズGPの舞台となったサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)では、初開催の13年以来、負け知らずの6連覇を達成し、今年も7年連続PPから7連覇が期待された。残念ながら連続優勝記録更新をす悔しい結果となったが、今大会はその雪辱に闘志を燃やし、2年連続の大会制覇と第2戦アルゼンチンGP以来となる今季2勝目に挑む。また、開幕戦カタールGPで9位、第2戦アルゼンチンGPで7位、前戦アメリカズGPで10位と開幕から3戦連続でトップ10フィニッシュを果たしている中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、4戦連続ポイント獲得とベストリザルトを目指す。昨年11月にヘレスで行われた公式テストでは、自身初となるトップタイムでテストを終えた。11月と5月では、天候、路面コンディションに大きな違いはあるが、得意とするヘレスの走りに大きな注目が集まる。カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、3戦を終えて総合8位。今年は開幕戦カタールGPで3位表彰台と好調なスタートを切ったが、第2戦アルゼンチンGPではジャンプスタートのペナルティーで13位へと後退。第3戦アメリカズGPでは表彰台争いに加わるが、ブレーキングミスで転倒リタイヤに終わった。アルゼンチン、アメリカと2戦連続で好調な走りを結果につなげられないというフラストレーションをためるクラッチローだけに、今大会はその雪辱に挑む。スペインGPでは、17年にフロントロー獲得となる3番手、昨年はポールポジション獲得を果たしているが、決勝ではともに転倒リタイアに終わっている。今年は、過去2戦と過去2年のスペインGPの悔しさをぶつける意気込みだ。Repsol Honda Teamで4戦目を迎えるホルヘ・ロレンソが、ホームGPに気合を入れる。過去、ヘレスでは08年以来、最高峰クラスで3度の優勝を含む8回の表彰台に立って来た。今年はホンダのMotoGPマシン、RC213Vでチャレンジするが、レースをこなす毎に予選、決勝ともにスピードを上げてきているだけに、今季初表彰台、初優勝が期待される。前戦アメリカズGPでは、予選Q1でトップタイムをマークしてQ2に進出するなど、本来の速さを発揮してきた。今大会は、地元の声援の中で、今季ベストグリッドとベストリザルトを目指す。マルク・マルケス(MotoGP 総合4位)「ヘレスで行われるスペインGPはヨーロッパで最初に開催されるGPなので特別な気分です。スペインのファンもたくさん応援に来てくれます。もちろん、いつものように一生懸命取り組みます。チャンピオンシップは接戦なので、全力を尽くさなければなりません。アメリカズGPからのインターバルは、これまで以上に長く感じます。早くマシンに乗りたいです」中上貴晶(MotoGP 総合7位)「今回もまた、インターバルが2週間ありましたが、とても長く感じました。しかし、スペインGPに向けて、バルセロナでしっかり準備を整えることができました。昨年の11月にヘレスで行われたテストでは、トップタイムをマークしているので自信はあります。しかし、テストのときよりも気温は高いので路面の感触は変わっています。チームはいい仕事をしています。今週末のプランはすでに決まっています。天気はよさそうです。このサーキットは好きなのでレースが楽しみです」カル・クラッチロー(MotoGP 総合8位)「ヘレスがとても楽しみです。ヘレスのサーキットは好きですし、過去にいいパフォーマンスを経験しています。昨年はポールポジションを獲得しました。このサーキットとは相性がよく、速く走ることができたので、今週末も力強い走行ができることを願っています。アルゼンチンとアメリカでは残念な結果となってしまったので、ここでいい結果を残すことは大事なことです。チームと仕事をするのが楽しみです。モチベーションは上がっています。いい結果を残すために、全力を尽くします」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 総合17位)「シーズンが始まってから、ずっとこのレースのことを考えてきました。怪我の影響もありテストの時間が限られていたので、序盤が難しくなることは分かっていました。ヘレスは大好きなサーキットの一つです。今までのサーキットよりも路面のグリップがよく、自分のライディングスタイルにとてもよく合うサーキットです。序盤の3戦でたくさんのことを学んだので、今大会はいい結果を出せると思います」
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