MotoGP 後半戦のスタートとなった第10戦チェコGPは、予選3番手からトップグループに加わったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、3位でフィニッシュした。MotoGP100戦目を迎えたマルケスは、中盤まではフロントローからスタートしたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、そして2列目スタートのホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)らとトップグループを形成。周回するごとにポジションを入れ替える厳しい戦いを繰り広げた。
その中からドヴィツィオーゾとロレンソのドゥカティ勢とマルケスが抜け出し、終盤はこの3人の戦いとなる。チャンピオンシップで総合首位につけるマルケスは、ドゥカティ勢とのバトルに加わり優勝の可能性を探ったが、最後はしっかり3位表彰台を獲得した。今大会はMotoGP100戦目という節目の戦い。そこで優勝するのが最大の目標だったが、チャンピオンシップを争うヤマハ勢の2人が後方にいたこともあり、着実にフィニッシュした。この結果、総合2位で今大会4位のロッシに49点差、総合4位から3位に浮上したドヴィツィオーゾに68点差、今大会ノーポイントに終わり総合4位にダウンしたマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)に72点差をつけ、3年連続5回目のタイトル獲得に向けて、また一歩前進した。2013年にRepsol Honda TeamからMotoGPクラスにデビューしたマルク・マルケスは、過去5年間で4回のタイトルを獲得し、6年目のシーズンを迎えた今年は、ここまで通算40勝を含む71回目の表彰台を獲得した。予選5番手から好スタートを切ったカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、5位でフィニッシュした。クラッチローは、レース中盤には、ドヴィツィオーゾ、マルケスに続いて3番手を走行したが、終盤は、ロレンソ、そして最終ラップにロッシに抜かれ、表彰台を獲得することができなかった。今大会のクラッチローは、リアタイヤの消耗に苦しんだ。そのため、2年ぶりの大会制覇と表彰台は果たせなかったが、トップグループで見せたバトルは、ファンを喜ばせた。予選10番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が8位でフィニッシュした。中盤までは、アンドレア・イアンノーネ、アレックス・リンスのスズキ勢、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)とし烈な8位争いのグループを形成。終盤は、その戦いを制し、グループ首位でチェッカーを受けた。予選13番手から決勝に挑んだフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、ケガからの復帰戦で13位でフィニッシュし、ポイントを獲得した。予選22番手のトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が、ポイント獲得にあと一歩に迫る16位。予選19番手の中上貴晶(IDEMITSU LCR Honda)は、レースウイークを通じて旋回性に苦しみ17位。ワイルドカードで出場のステファン・ブラドル(HRC Honda Team)は、オープニングラップの3コーナーで他車と接触し転倒。リタイアに終わった。マルク・マルケス(MotoGP 3位)「今週末の目標はチャンピオンシップでリードを広げることで、それを達成することができました。ここへ来たときは46ポイント差でしたが、49ポイント差で次戦に向かうことになりました。とてもいいことです。昨日の予選が終わったときに、ロレンソとドヴィ、もしかしたらバレンティーノも強敵になると思っていましたが、その通りの戦いになりました。僕も戦う準備はできていましたが、正直、2人のドゥカティ勢とは対等に戦えませんでした。彼らは加速で強く、ブレーキングも安定していました。前に出ようと努力しましたが不可能でした。そこで、作戦を変えて3位を獲得することにしました。今日は僕にとってMotoGP100戦目でしたが、この経験を生かすことができました。もしMotoGP2戦目か3戦目だったら、優勝を狙ったかもしれません。そして優勝するか、もしかすると転倒していたと思います。でも今日は100戦目。冷静に判断をしました。3位というのは、今季ちゃんと走ったレースでは、もっとも悪いリザルトです。でも、ここはいつも苦戦するサーキットなので、トップと僅差でフィニッシュできたことはうれしいです。今後、相性がいいサーキットでは、いいレースをする自信があります」カル・クラッチロー(MotoGP 5位)「3番手まで浮上しましたが、もう少しスライドさせる余裕がほしかったです。でも、すぐ後ろにライバルがいました。ロレンソは今日すばらしい仕事をして結果を出しました。僕はリアタイヤが消耗し、コーナーの出口で上位のライダーたちのように走ることができませんでした。マシンを何度も起こさなければなりませんでした。それが僕とマルクのマシンの違いだと思います。そこを改善しなければなりません。オーストリアが楽しみです。ブルノは、RC213Vの本当の力を発揮できるサーキットではありません。チームもHondaもすばらしい仕事をしてくれました。ダニより前でバトルできたこともうれしかったです。これは僕とチームにとって大事なことです。表彰台は逃しましたが、いい結果だったと思います」ダニ・ペドロサ(MotoGP 8位)「マシンは快適ではなく、コーナーを素早く立ち上がることができませんでした。そのためコーナー進入でリカバーしようとがんばりました。ほかのライダーたちのタイヤが消耗し、加速が悪くなった終盤、何人かパスすることができました。このような走り方は簡単ではありませんが、明日はここでテストがあります。コーナーの立ち上がりで加速がよくなるように改善できたらうれしいです」フランコ・モルビデリ(MotoGP 13位)「今日はスタートに失敗し、そのあといくつかポジションを挙げなければなりませんでしたが、13位でフィニッシュできてうれしいです。オープニングラップは何人かのライダーの動きが少し怖く感じましたが、そのあとは落ち着いて走れるようになりました。レース後半は、いくつかのコーナーでフロントが流れましたが、とにかく、ジャック・ミラーに続くポジションをキープすることに集中しました。ケガからの復帰戦でいい結果を出すことができました」トーマス・ルティ(MotoGP 16位)「1周目にいくつかミスをしてしまいました。その後、15位でフィニッシュしたアレイシ・エスパルガロについていくチャンスがあったのですが、シルヴァン・ギュントーリの後ろでかなりタイムをロスしてしまいました。それを除けばいいレースでした。自分のリズムは安定していました。ここ最近のレースに比べると、上位のライダーたちとの差が近くなっています。この点はポジティブでした」中上貴晶(MotoGP 17位)「FP4で1分57秒台で走れていたの...
全文を読む