2018年のMotoGP 第8戦オランダGPは、今季2度目のポールポジションを獲得したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が好スタートを切ると、8台で形成されたトップグループに加わり、今季4勝目を挙げた。今季最もし烈な戦いとなり、8台のトップグループは目まぐるしくポジションを入れ替えた。
序盤はマルケス、その後、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)が首位に立ち、中盤にはアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と首位が入れ替わるが、終始、トップグループにつけたマルケスは、ラスト5周でスパートを掛けると、ラスト3周にはレース中の自己ベストタイムを刻みライバルを突き放した。それからもペースを緩めず、2位争いの集団に2秒以上のリードを築き、26周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。今大会は、トップグループに加わった選手全員に勝利のチャンスがあるし烈な戦いだった。その中でマルケスは、フリー走行、予選、そしてウォームアップで築きあげた速さと安定した走りを見事に再現。終盤の圧倒的な強さには、サーキットに集まった10万人のファンも大喜びだった。これで今季4勝目。総合2位で今大会5位に終わったロッシとの差を27点から41点へ、総合3位で今大会3位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)に47点差とし、3年連続5度目のタイトル獲得にまた一歩前進した。今季2度目のフロントローからトップグループに加わったカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、表彰台圏内を走行するが、ラスト2周でオーバーランを喫し、6番手へとポジションを落とした。アルゼンチンGPの優勝に続き、今季2度目の表彰台が期待される走りと内容だったが、あと一歩届かなかった。予選で苦戦したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、決勝でも思うように追い上げることができず15位。18番グリッドからのスタートということで、序盤は混戦の中でリズムをつかめず苦戦するが、徐々に本来の走りを取り戻すと後半は今大会の自己ベストラップを刻んだ。結果は15位。ペドロサにとっては残念なリザルトだが、次戦ドイツGPは得意とするサーキット。今大会の雪辱に向けて闘志をかきたることになった。13番グリッドから決勝に挑んだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、オープニングラップ15番手と出遅れ、その後も思うようにペースを上げられず19位。目標とするポイント獲得とトップ10フィニッシュを果たせなかった。今大会はリアのグリップ不足に苦しんだ。2日後に行われるチェコでのテストで今大会の問題解消に挑む。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、予選22番手から20位でフィニッシュ。今大会もポイント獲得は果たせなかった。マルク・マルケス(MotoGP 優勝)「アドレナリンが出続ける、信じられないレースでした。このスポーツをしている理由の一つが、こうした戦いです。昨日はこのようなレースになることを期待していました。しかし、これほど厳しい戦いになるとは思いませんでした。今日は風がありました。その風の中でグループに加わった全員がバトルをしていました。そして、だれもがどこかでだれかと接触したと思います。アタックして守る。その繰り返しでした。何度もすごい瞬間がありました。転倒のリスクもありました。クレイジーでした。作戦通りに走ることも、作戦を立てることも不可能でした。そのため、とにかく戦って、最後に何ができるかを考えることにしました。残り3周になってからは、タイヤやチャンピオンシップのことは考えず全力を出しました。タイトル争いをしているときは、前にいるライダーの数をなるべく少なくしたいので、とにかく集団の人数を減らそうをしました。でも、それも難しいことでした。ラストラップを迎えたときに1秒半以上のアドバンテージができました。このときになって、やっと『よし、いけるぞ、とにかくこの周をフィニッシュしよう』と思いました。重要な勝利になりました。重要な25ポイントを獲得しました。これからも引き続きがんばって、プッシュし続けます。そして、同じレベルをキープしなければなりません」カル・クラッチロー(MotoGP 6位)「いいレースだったと思いますが、残り2周で失敗してしまいました。バレンティーノをパスしたときに、さらに前にいるライダーたちに向けてプッシュできると思ったのですが、大きなミスをしてしまいました。8コーナーで大きくはらんでしまい、6位という結果で我慢しなければなりませんでした。スタートはよかったし、1周目も悪くありませんでした。しかし、フロントタイヤがHonda勢には柔らかすぎたようで、あまりプッシュできませんでした。マルク(マルケス)が何度かブレーキングでパスされていたのも、このせいだと思います。とにかく自分のリズムを維持していいペースを刻もうと思いました。いいバトルになりました。僕は(レース前に)8人のライダーのうちだれが表彰台に立ってもおかしくないと言いましたが、その通りになりました。今日、いいレースができたのは、いい仕事をしてくれたチームのおかげです」ダニ・ペドロサ(MotoGP 15位)「すべてがとても難しい週末でした。いいスタートを切ることができず、序盤は全く前進できませんでした。序盤はプラクティスのときと同じフィーリングでしたが、徐々にペースを上げられるようになり、快適になっていきました。そして最後はペースも上がり、まずまずのラップタイムを刻むことができました。最終シケインの速さが十分ではありませんでした。そういう状態でしたが、最後は、レースウイーク中で一番いいラップを刻めました。予選でもっと速くなれるように取り組まなければなりません」中上貴晶(MotoGP 19位)「想定していたタイムに届かず、1分34秒台で走ることができませんでした。今日はリアにハードコンパウンドを選択しました。ソフトとどっちにするかずいぶん迷いましたが、ソフトはコーナーの立ち上がりの挙動が激しかったのでレース終盤のことを考えてハードを選択しました。タイヤチョイスは悪くなかったと思うのですが、思っていたような走りはできませんでした。それがどうしてなのか、水曜日にブルノでテストがあるので、今日の原因をしっかり追求したいです。今大会はウイークを通してリアのグリップに苦しみました。旋回性にも苦しみました。今日はシケインの不通過でペナルティーを取られたのですが、他のライダーもグリーンのライン...
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