MotoGP 第6戦イタリアGPの決勝レース当日は、最高気温が29℃まで上昇。レースウイークを通じて最も暑い気候となり、路面温度も51℃を記録するなど、今シーズン最も厳しい条件での戦いとなった。昨年に続き、タイヤと車体のマッチングに苦しんだイタリアGP。ホンダ勢は、3日間を通じて厳しい走りを強いられたが、そんな中、予選8番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、5台に膨れ上がった3位争いの集団の中で戦い抜き、6位でフィニッシュした。
今季初のQ2進出を果たしたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、予選12番手から15位でフィニッシュ。自身にとってのホームグランプリで、今季5回目のポイント獲得を果たした。以下、オープニングラップに転倒し、再スタートを切った中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が18位。スタート直後の2コーナで他者と接触してバランスを崩し、中上に追突したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は転倒リタイア。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も転倒寸前の選手を回避して転倒リタイア。予選6番手から好スタートを切って2番手に浮上したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)も5周目に転倒を喫し、再スタートを切りましたが最終的に16位だった。今大会、ホンダ勢はフリー走行、予選と柔らかすぎるタイヤに苦戦してきた、5月に行われた合同テストでは好タイムをマークし、今大会にも大きな期待が寄せられていたホンダ勢だったが、レースウイークを通じて、高い気温と路面温度に苦しむことになった。ホンダ勢にとっては厳しい結果となったが、マルケスは総合首位をキープしている。カル・クラッチロー(MotoGP 6位)「今大会は限界を探るレースとなりました。ここでテストをしたときは、路面温度が今日より20℃低く、マルクと自分は速かったのですが、今大会のタイヤの割り当ては我々には厳しいものでした。一人で走っているときはいいペースでした。しかし、グループに追いついてからは、フロントタイヤがオーバーヒートになりました。今大会で速かったのは、新鮮な空気を受けて走っているライダーたちでした。しかし、昨年に比べたらはるかにいいレースができたと思います。Hondaはすばらしい仕事をしました。今日は6位でしたが、この結果には満足しています。次戦バルセロナのタイヤは、我々にとっていい割り当てになると思うので、次戦に期待しています」フランコ・モルビデリ(MotoGP 15位)「今大会はHondaにとって難しい一日になりました。それを思えば、自分にとって今日のレースはよかったと思います。スタートはよかったのですが、そのあとポジションを落としてしまいました。ペースはそれほどよくはありませんでしたが、安定したペースでラップを刻み、最終的にポイントを獲得することができました。今大会は初めてQ2に進出しました。変化するコンディションの中で速く走るためにどうすればいいのかということを学ぶことができました。この調子で経験を積み、レースのフィーリングを改善できれば、もっといいレースができると思います」マルク・マルケス(MotoGP 16位)「レースウイークを通じて、タイヤのフィーリングを完ぺきにするために苦労しました。そして決勝ではそれほど悪くはなく、プッシュもしていなかったのですが、突然、フロントから切れ込んでしまい、立て直そうとがんばりましたが転んでしまいました。マシンには多少ダメージがありましたが、再スタートを切ってからのペースはそれほど悪くありませんでした。今日はノーポイントに終わりましたが、昨年はこのレースを終えた時点でトップと37点差がありました。それが今年は23点リードしているので、とてもポジティブだと思います。今年もチャンピオンシップは接戦になることは間違いありません、シーズンは長く、なにが起きるか分かりません。本来のタイヤスペックに戻る次戦のモンメロに向けて、引き続き全力を尽くします」中上貴晶(MotoGP 18位)「2コーナーに入るときにダニがバランスを崩しているのが視界に入りました。そのあと、リアタイヤにぶつかってきて転んでしまいました。スタート直後なので仕方ないとは思いますが、自分ではどうすることもできない状況でした。転倒したあと、エンジンがなかなかかからなかったのですが、なんとか再スタートしてピットに戻りました。チームはリタイアすることを勧めてきましたが、この状況でリタイアするのは悔しかったので、チェックしてもらい再スタートすることにしました。再スタートしてからのペースは悪くなかったし、転倒がなければ期待していた以上の結果を残せたかもしれません。残念なレースでした」ダニ・ペドロサ(MotoGP リタイア)「とても難しい週末になりました。そして多くの問題を抱えました。今朝のウォームアップでやっといいセッティングを見つけたのですが、グリッドが悪すぎました。後方グリッドからのスタートだったので、序盤にポジションをばん回しようとがんばり、何台か抜いたのですが、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)の後輪に接触し、タカを巻き添えにして転んでしまいました。タカには本当に申し訳ない気持ちです。今大会はセットアップを改善できたのですが、それを活かすチャンスがありませんでした。次のレースではいい状態で挑みたいです」トーマス・ルティ(MotoGP リタイア)「今週はプラクティスで何度も転び、とても難しいレースウイークになりました。そのため、自信を持って決勝に挑めませんでした。さらにレース序盤、前を走るザビエル・シメオン(ドゥカティ)が転びそうになり、それを避けようとしたのですが、フロントから転んでしまいました。全力を尽くしてくれたチームには本当に申し訳ない気持ちです」関連:【MotoGP】 第6戦 イタリアGP 決勝:ロレンソがドゥカティ移籍後初優勝!
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