不安定な天候となったMotoGP 第2戦アルゼンチンGPの決勝レースで、10番グリッドから挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が2年ぶりの優勝を果たした。前日から続く不安定な天候の影響により、Moto3クラスはウエットコンディション、Moto2クラスはドライコンディション。そしてMotoGPクラスは、Moto2クラスのレース終了後に雨が降ったために再びウエットで行われた。しかし、ライダーたちがグリッドについている間に路面がどんどん乾き、スリックタイヤのマシンにチェンジする選手が続出したことからレースが仕切り直しとなり...
全車スリックタイヤでスタートが切られた決勝レースは、ポールポジションからスタートしたジャック・ミラー(ドゥカティ)、3番グリッドのヨハン・ザルコ(ヤマハ)、5番グリッドのアレックス・リンス(スズキ)、そしてクラッチローら4人による優勝争いとなり、レース終盤にザルコ、ミラー、リンスを次々にパスしたクラッチローが、24周のレースで真っ先にチェッカーを受けた。この勝利により、Hondaはグランプリ通算750勝目を達成した。昨年は思うような結果を残せず、表彰台もアルゼンチンGPの3位だけだったクラッチロー。そのアルゼンチンGPでクラッチローが、2年ぶりの優勝(通算3勝目)を達成した。予選6番手から2周目にトップに浮上し、7周目まで首位を独走したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、グリッド上でエンジンがストール。エンジンをかけてグリッドに戻る際、マシンに跨がったままグリッドに移動したことで、ライドスルーのペナルティーを受ける。これにより19番手までポジションを落としたマルケスだが、驚異的なペースで追い上げ、5位でフィニッシュした。しかし、追い上げの歳にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)と接触したことでレース中に1ポジションダウンのペナルティー、さらに、レース終盤にバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)と接触したことで30秒のペナルティーとなり、18位まで降格。結果、ノーポイントに終わった。予選2番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、オープニングラップの最終コーナーでザルコと接触し、アウトにはらんだ際に水たまりでハイサイドになり転倒、リタイアに終わった。Repsol Honda Teamは、フリー走行、予選とすばらしい走りを見せたが、両選手ともに結果につなげることはできなかった。ルーキーの中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、13位でフィニッシュを果たし、初のポイントを獲得した。ウエットコンディションで行われた予選では、タイヤのパフォーマンスを発揮できず最下位グリッドの24番手だったが、その悔しさを決勝にぶつけ、ルーキー勢トップの成績でフィニッシュした。昨年のMoto2チャンピオンのフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は14位でフィニッシュし、これで開幕戦カタールGPから2戦連続でポイントを獲得した。チームメートのトーマス・ルティは、モルビデリ、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)、アルバロ・バウティスタ(ドゥカティ)らとし烈な戦いを繰り広げて17位。ポイント獲得は果たせなかったが、カタールGPから一歩前進を果たした。カル・クラッチロー(MotoGP 優勝) 「優勝できてうれしいです。正直、期待していた結果でした。レースウイークに入って、1位か2位になれると思っていましたが、実際に優勝で終えることができました。集団の中でバトルをしながらもリスクを感じずに、快適に走ることができました。ここまでの2レース、チームは最高の仕事をしてくれました。うれしいです。今週末はどこのサーキットでも優勝争いができたと思います。次はオースティンです。トップ5を狙います。そして力強いポイントを獲得したいです。今年はいくつかのレースで優勝したいです。また、Hondaにとっての750勝目を達成するライダーになれて、とてもうれしいです。Hondaのサポートにいつも感謝しています」中上貴晶(MotoGP 13位) 「スタート進行が混乱したので、すぐに出られるよう準備をしていました。最終的に25周から24周になってスタート進行が始まりましたが、ピットで自分を落ち着かせていたので自分自身の混乱はありませんでした。スリックタイヤで走ることになりましたが、ドライコンディションで走ったのはコンディションが悪い初日だけ。未知数の部分が多かったのですが、中盤から後半にかけていいペースをキープできました。今大会はカタールの経験を活かすことができた部分も、そうでない部分もありますが、着実に前進できました。13位でポイント取れたこともうれしいです。アメリカはまた違うレイアウトですが、13位より上を目指していきたいです。今日は、カルの優勝を祝福したいです」フランコ・モルビデリ(MotoGP 14位) 「タイヤの選択は少しギャンブルになりましたが、チームは正しい選択をしました。でも、スタートがディレイしてしまいました。序盤は慎重に行き、徐々にポジションを上げていきました。このサーキットで抱えていた問題を考えたら、14位で2ポイントを獲得できたことをうれしく思います」トーマス・ルティ(MotoGP 17位) 「クレイジーな天候と路面コンディションの中、多くのことを学びました。もっと大きく前進できることを願っていましたが、レース終盤は限界の走りで、マシンと格闘していました。路面のウエットの部分では少しスライドしました。フランコとポイント争いができましたが、残念ながらポイント圏内に入れませんでした」マルク・マルケス(MotoGP 18位) 「とてもトリッキーなレースでした。障害がいくつもあって、コンディションはとても難しいものでした。スタート直前にエンジンに問題が出て、止まってしまいました。これはあとで原因を探りたい思います。とにかく手を挙げましたが、周りにだれもいませんでした。マシンを再スタートすることができたので、マーシャルからの情報を得ようとしました。というのも、自分のグリッドに戻るべきかピットに戻るべきか分からなかったからです。一人のマーシャルが手を挙げて、もう一人が親指を挙げたので、ここにいていいと分かりました。ボードにペナルティーのメッセージが見えたときは、理由が分かりませんでしたが、もちろん、それに従いました。そして追い上げるためにプッシュしました。残念ながらいくつかミスをしてしまいました。一番大きなミスはアレイシとのときです。彼より速いスピードで、彼に近付いていたのに気が付きませんでした。接触を避けようとベストを尽くしましたが、残念ながら避けられませんでした。ペナルティーを見て、再びプッシュする前に1つだけではなく、2つポジションを下げました。バレンティーノとの接触について...
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