MotoGP 第4戦スペインGPが、5月5日(金)から7日(日)までの3日間、イベリア半島の南西部に位置するヘレス・サーキットで開催される。同サーキットは一周4.423km。バラエティーに富んだ大小13のコーナーのすべてがパッシングポイントと言っても過言ではなく、今年も厳しい戦いが予想される。ヘレスは、1987年に初めてグランプリが開催された。以来、スペインGPの舞台として定着した。同地で開催されるのは今年で30回目となる(88年はハラマで開催)。
ヘレスのあるアンダルシア地方は、一年を通じて温暖な気候で、今年もMoto2クラスとMoto3クラスのウインターテストが行われた。MotoGPクラスの公式テストは行われなかったが、各チームともにデータは豊富で、初日からレベルの高い走りが繰り広げられる。ホンダは、これまでヘレスで通算20勝を達成している。2012年はケーシー・ストーナー、13年はダニ・ペドロサ、14年はマルク・マルケスと、Repsol Honda Teamが3年連続で優勝しただけでなく、3年連続でRepsol Honda Teamの両選手が表彰台に立った。さらに、15年、16年も表彰台に登壇。06年から11年連続でRepsol Honda Teamの選手は表彰台に立ち、連続表彰台記録を更新した。しかし、過去2年は優勝がなく、今年は3年ぶりのスペインGP制覇と同大会で通算21度目の優勝を目指す。3戦を終えて総合3位のマルク・マルケスは、スペインGPでは、MotoGPクラスにデビューした13年から表彰台に立ち続けてきた。13年は2位、14年に優勝、15年2位、16年3位と、11年のMoto2クラス時代の2位を含めて5年連続で表彰台に立ってきた。今年は14年以来の優勝と前戦アメリカズGPからの今季2勝目に挑み。チームメートのダニ・ペドロサも、前戦アメリカズGPで3位になり、今季初表彰台を獲得した。そしてヘレスは、ペドロサが最も得意とするサーキットの一つ。06年に最高峰クラスにデビューしてから13年まで9年連続で表彰台に立って来た。しかし、15年は腕の手術のために同大会を欠場し、16年は4位と、表彰台から遠ざかっている。今年は、地元ファンの前で3年ぶりの表彰台と優勝を目指す。カル・クラッチロー(LCR Honda)は、3戦を終えて総合5位。今年は順調なシーズンスタートとなった。昨年は、序盤の3戦を終えてノーポイントというリザルトで、ヨーロッパラウンドを迎えた。今年は、第2戦アルゼンチンGPで3位表彰台、第3戦アメリカズGPで4位になり、さらにモチベーションを高めている。スペインGPでは、今季2度目の表彰台と今季初優勝が期待される。3年目のシーズンを迎えるジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、開幕から3戦連続でトップ10フィニッシュを果たし、大きな成長を感じさせている。チームメートのティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も3戦連続でポイント獲得している。今年はウインターテストでケガをした影響があり、序盤は厳しい走りを強いられたが、ホームGPを迎え、今季ベストを目指す。マルク・マルケス(MotoGP 総合3位)「序盤3戦の遠征を終えてスペインに戻ることができてうれしいです。地元ファン、そしてファンクラブの前でレースをするのはいつだって特別なことです。へレスは最も難しく、トリッキーなサーキットの一つです。しかし、チーム全体が一生懸命に仕事に取り組み、さらにマシンのセットアップをよくするためにがんばってきました。前戦アメリカズGPで優勝したことで、チーム全体のモチベーションを高まっています。このサーキットは『古い学校』のような感じがします。とても短くて、狭くて、急加速と力強いブレーキングが必要です。マシンをうまく切り返さなければなりませんが、ブレーキング時の安定性も必要になり、それがラップタイムに影響します。このサーキットはライバルたちもとても強いのですが、金曜日からいい走りができれば、いいレースになると思います」カル・クラッチロー(MotoGP 総合5位)「ヨーロッパラウンドの最初のレースになります。スペインということで、これまでに比べたら自宅からも少し近くなるので楽しみです。1年前はあまりいいレースはできませんでしたが、このサーキットは走っていて楽しいです。ここ数戦はポジティブな結果を出せているので、へレスでもいい仕事ができると思っています。希望を高く持って挑みます。アルゼンチンGPの3位をさらに上回れるように、LCR Honda Teamと一緒にがんばります」ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合6位)「へレスはとても好きなサーキットです。さまざまな要素がすべて入っています。タイトなコーナー、高速コーナー、切り返し、ウイリー・エリアなどです。一番の思い出は2006年のMotoGPデビューの年に表彰台に上がったことです。今大会はオースティンからの勢いを維持して、マシンのセットアップを引き続き進めたいです。特に速いリズムをキープして、ラップタイムを上げていきたいです。なにを改善しなければならないのか、どうセットアップしていけばいいのかということが分かってきました。へレスでまた一歩前進できることが楽しみです。僕のファンクラブも来てくれます。彼らとすべてのファンのためにいい週末にしたいです」ジャック・ミラー(MotoGP 総合10位)「カタールとアルゼンチン、そしてアメリカのシーズン序盤3戦は、いいレースができました。それだけにヨーロッパラウンドが始まるのが楽しみです。へレスは好きなサーキットです。ここもまたHonda RC213Vと相性がいいサーキットだと思うので、レースウイークに向けて気持ちはポジティブです。序盤3戦の遠征とウインターテストで学んだことを今週末のへレスで生かしたいです。3戦連続でトップ10フィニッシュを達成できたのはとてもいいことです。ヨーロッパではもっといい結果を出したいです」ティト・ラバト(MotoGP 総合18位)「今シーズンは、セパンのテストで転倒してケガをして少し出遅れましたが、開幕からの3戦、ポイント圏内でフィニッシュできてとてもうれしいです。ここまでのレースには満足しています。チームはみんないい仕事をしてくれて、周回するごとに快適さが増しています。今週はホームレースのスペインです。少しプレッシャーはありますが、母国ファンの前でいいパフォーマンスをしたいです。ホームGPということで忙しいと思いますが、集中力を維持して、これまでと同様に取り組みたいです。そしてレースではチームメートのジャックとのギャップを縮めたいです」
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