2017年シーズンの開幕戦カタールGP決勝は、スタート直前に雨が降ったため、午後9時のスタートが9時45分へと変更になり、周回数も22周から20周へと短縮された。スタート時間が遅くなったことで気温と路面温度の低下を考慮し、Repsol Honda Teamの両選手は、フロントに選択していたハードタイヤを、急きょミディアムに変更。それが結果的に戦いを厳しいものにした。
スタート3番手から開幕勝利が期待されたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、スタート直後からゴールまで、フロントのフィーリングが完全ではなく、最後まで攻める走りができなかった。序盤はトップを走るアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に続いて2番手を走行したが、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に抜かれ4番手へとポジションを落とす。その後は、そのポジションをキープしてチェッカーを受けた。表彰台は逃したが、厳しい戦いの中で4位でフィニッシュ。2年連続4度目のタイトル獲得に向けて、まずまずのスタートとなった。チームメートのダニ・ペドロサもフロントタイヤの選択に失敗したことで、スタートからゴールまでペースを抑えることになり、5位でフィニッシュした。カル・クラッチロー(LCR Honda)もタイヤ選択を失敗したことで、2度の転倒を喫しリタイアとなった。スタート16番手から決勝に挑んだジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、追い上げのレースで8位フィニッシュ。19番手からスタートした、チームメートのティト・ラバトは15位でフィニッシュし、ともにポイント獲得を果たした。マルク・マルケス(MotoGP 4位)「今日は厳しい戦いを強いられましたが、4位でフィニッシュすることができ、ポジティブな一日でした。今大会はスタッフ全員がよく働きました。決勝は、フロントにハードを使う予定でしたが、天候が不安定なことと、スタートが遅れたことで、最終的にミディアムを使うことにしました。その理由はクラッシュのリスクを少なくするためでした。しかし、ミディアムを選択したことでフロントタイヤに全神経を使わなければなりませんでした。マシンのフィーリングはよかったのですが、今回のタイヤチョイスはブレーキングに影響しました。とにかく、最後までレースを走りきることに集中し、アルゼンチンに備えることにしました」ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)「最初から変なレースでした。雨が降ったことでスタート進行が遅れました。それからはレースに集中するために最善を尽くしました。今日はフロントタイヤのフィーリングに苦しみました。フロントが柔らかすぎたからです。そのためプッシュすることができませんでした。同じ問題をHonda勢は抱えることになりました。とにかく、最後までタイヤを持たせるためにペースを抑えなければなりませんでした。いずれにしても今年最初のレースです。次のアルゼンチンではこの問題に取り組み、解決したいです。アルゼンチンではいいレースをしなければいけません」ジャック・ミラー(MotoGP 8位)「難しい天候とコンディションでしたが、シーズン最初のレースで8位となり、すばらしいスタートを切ることができました。今大会は、初日に転倒し、2日目と3日目も不安定な天候に翻ろうされました。しかし、乗るたびにフィーリングがよくなり、ウインターテストで得た経験を活かすことができました。トップ10にいるというのはモチベーションにつながります。今日はハンドルの位置も変えました。今までのハンドル位置はブレーキングに影響があったので、それを改善することができました。いずれにしてもポジティブな一日でした」ティト・ラバト(MotoGP 15位)「ウインターテストでケガをし、まだ完治していない状態でポイントを獲得できたので、とてもうれしいです。ロサイルは不安定な天候のレースとなりましたが、シーズンのスタートとしては、ペースもそれほど悪くなかったし、満足しています。アクセルを開けるためには、もっと自信が必要だということも感じました」カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)「グリッド上でマルク(マルケス)と同じタイヤに交換しました。スタートが遅れたことでミディアムをチョイスしたのですが、柔らかすぎました。完全にタイヤ選択を失敗しました。今日はいい位置からスタートしたのですが、フロントタイヤのオーバーヒートのためバトルに加わることは無理でした。最初の転倒は最終コーナーで、ハンドルが曲がり、タイヤに泥がついていました。その転倒の影響で2度目の転倒をしてしまいました。本当に残念です。昨年もシーズン序盤はこういう感じのレースだったと思いました」【MotoGP】 カタールGP:ヤマハのマーベリック・ビニャーレスが優勝!
全文を読む