MotoGPは6月22日、チェコのブルノで2027年規則に向けた重要なプライベートテストを実施した。来季から導入される850ccエンジンと新タイヤサプライヤーのピレリ製タイヤを、マルク・マルケスやマルコ・ベッツェッキ、ペドロ・アコスタら現役トップライダーが初めて本格的に評価した。これまでテストライダー中心で進められてきた2027年仕様の開発は、新たな段階へ突入。各メーカーはレースライダーから直接フィードバックを収集し、2027年の新時代に向けたマシンとタイヤの方向性を確認した。
現役トップライダーが850ccマシンを初評価ブルノで行われたテストには、各メーカーを代表するライダーが参加した。ドゥカティは前日のチェコGP優勝者マルク・マルケスとフェルミン・アルデゲルを起用。アプリリアはマルコ・ベッツェッキとラウル・フェルナンデス、ホンダはジョアン・ミルとルカ・マリーニを送り込んだ。KTMはペドロ・アコスタ、ヤマハは2027年からMotoGP参戦が決定しているトプラク・ラズガットリオグルが参加。さらに各メーカーのテストライダーも加わり、新型タイヤと850ccマシンの評価を進めた。テストは午前9時から午後6時まで実施され、昼休み1時間を除く8時間にわたって走行が行われた。メディアの立ち入りは禁止され、公式タイムも発表されなかった。そのため各チームは独自にストップウォッチでライバルのペースを測定しながらプログラムを消化したとみられる。スプリントシミュレーションや集団走行も実施今回のテストでは単純なタイヤ比較だけでなく、多岐にわたる評価項目が用意された。ラズガットリオグルは前日の段階でスプリントレースシミュレーションを実施する予定であることを明かしていた。また、一部のライダーは集団で周回し、前走車の乱流を受けた状態でのフロントタイヤ性能を確認したと考えられている。2027年型MotoGPマシンは排気量が1000ccから850ccへ縮小されるほか、ライドハイトデバイスが全面禁止となる。さらに空力開発にもより厳しい制限が導入される予定で、ライダーたちは新たな特性への適応を進めている。ピレリ「非常に厳しいプログラムだった」MotoGPモーターサイクルレーシングディレクターのジョルジョ・バルビエールは、テスト終了後にその重要性を強調した。「MotoGP 2027へ向けた取り組みにおいて、これほど重要なテストに協力してくれたライダーとメーカーに感謝したい」「レースウィークエンドは高温に見舞われ、その数日後には次のグランプリも控えている。そのような状況の中で、多数の仕様を評価する非常に厳しいプログラムだった」また、これまでテストライダーのみで進めていた開発が、新たな段階へ進んだことも明かした。「これまでのプライベートテストではテストライダーのみが走行していたが、ブルノでは契約下にある現役ライダーからも2027年用タイヤと850ccマシンに関する有益なフィードバックを得ることができた」「全メーカーが合意したプログラムを完遂し、スプリントシミュレーションやフルレース距離の走行も実施した」400本のタイヤを投入 今後も開発継続ピレリは今回のテストのために計400本のタイヤを持ち込んだ。リアタイヤはソフト3種類とミディアム2種類、フロントタイヤはソフト1種類、ミディアム2種類、ハード2種類を準備。ブルノを襲った猛暑の影響で、インターミディエイトとレインタイヤは使用されなかった。今回収集されたデータは、今後実施されるプライベートテストに加え、9月のオーストリアGP後テストや、シーズン終了後のバレンシアテストとともに分析される。バルビエールは「今日のデータは、今後のテストで得られる情報と合わせて、2027年用タイヤの最終仕様を決定するうえで極めて重要になる」と説明した。なお、次回のレースライダー参加型ピレリテストは9月のレッドブルリンクで予定されている。全ライダーに門戸は開かれているが、各メーカーが十分な850ccマシンを用意できるかどうかは現時点では不透明な状況だ。
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