終日の雨になったMotoGP 第2戦アルゼンチンGPの決勝レースで、アレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)が9位でフィニッシュした。予選12番手から好スタートを切ったリンスは、オープニングラップに7番手に浮上。その後、快調にラップを刻み、レース中盤には5番手までポジションを上げて、表彰台争いを視野に入れる快走を見せた。
しかし、その後、ヘルメットのバイザーの視界の問題で、後半は、ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、ホルヘ・マルティン(ドゥカティ)、ジャック・ミラー(KTM)、ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)、そして、ルカ・マリーニ(ドゥカティ)に次々に抜かれる悔しいレースとなった。先行していたフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)が転倒しポジションを落としたことで最終的に9位でチェッカーを受け、Hondaチームで初の表彰台獲得に大きく近づくレースとなった。リンスがRC213Vでレースを行うのは、これが2戦目。ウエットレースは初めてだったが、その速さは見ているファンの印象に残るものだった。前日の「スプリントレース」では、ブレーキングとトラクション不足に苦しんで15位だったが、「スプリントレース」のデータを活かし大きく前進。今大会は、ドライ&ウエットで、RC213Vを改善するためのデータ収集に貢献した。リンスのチームメート・中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、11番グリッドから決勝に挑み、13位でフィニッシュ。ポイントを獲得した。今大会は、金曜日、土曜日と時折り雨が降る不安定な天候だったが、日曜日は終日のウエットコンディションという厳しい条件だった。その中で中上は、朝のウォームアップで6番手と快調にラップを刻み、決勝に向けて大きな手応えを感じさせたが、スクリーンの視界の問題で苦戦し13位だった。11番グリッドから好スタートを切った中上は、序盤9番手までポジションを上げました。その後、視界の問題などで15番手までポジションを落とすが、終盤にかけてふたつポジションを上げた。今大会は、初日のプラクティスで今季ベストの8番手と、徐々に本来のパフォーマンスを引き出すことに成功している。第3戦アメリカズGPに向けて一歩前進した。Repsol Honda Teamは、開幕戦ポルトガルGPの決勝レースでマルク・マルケスが右手親指を骨折して今大会を欠場している。そして、チームメートのジョアン・ミルも、土曜日の「スプリントレース」で他者と接触した後に転倒、頭や首を強く打っているため出場が許可されず、今大会を欠場した。Repsol Honda Teamの両選手は、次戦アメリカズGPの復帰に向けて治療、リハビリなどに努める。アレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)「今日はいいフィーリングがあったので残念な結果になりました。ヘルメットのバイザーに問題がありました。ある時点から視界が悪くなり、きちんと見えませんでした。そのためにポジションを落としてしまいました。ブレーキングとトラクションの改善はまだ必要ですが、昨日に比べたら一歩前進できたと思います。今日は、もっといい結果で終われたはずです」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「スタートからスクリーンに問題があり、フェアリングの外側に身体を出さなければなりませんでした。まさかこんなことが起きるとは予想していなかったので、とても難しく、厳しいレースでした。ウエットでのグリップレベルはよかったと思いますが、思うように乗りこなすことができませんでした。朝のウォームアップでかなり強さがあったので、正直、もう少しスピードが出せると期待していました。13位という結果には満足していません。次のオースティンで状況を改善できるように引き続きがんばります」
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