Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロは全27ラップのゴールラインまで全力で攻め続けて2位を獲得。優勝には0.364秒届かなかったが、貴重な20ポイントを手中にしランキングトップを維持した。フランコ・モルビデリは初のファクトリー・マシンで序盤は果敢にバトルに加わり、長いリハビリ後の復帰戦を最後まで着実に走り切って18位でチェッカーを受けた。
PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamのバレンティーノ・ロッシは、23番グリッドから17位まで挽回。アンドレア・ドビツィオーゾは同チームからのデビュー戦を21位で終えた。Monster Energy Yamaha MotoGPのクアルタラロ、サンマリノGPで2位獲得クアルタラロは好スタートを切って2番手で第1コーナーへ。その後3番手に後退し、2ラップにわたりJ・マーティン(ドゥカティ)と激しいバトルを繰り広げた。何としても3番手を守りたいクアルタラロは懸命にプッシュ。3ラップ目にはマーティンが転倒したためマージンを築き、さらにトップ2台を追いかけた。トップのF・バニャイア(ドゥカティ)と同等のペースで、2番手のJ・ミラー(ドゥカティ)との差を詰めていったクアルタラロ。2番手浮上は時間の問題という状況だったが、7ラップ目にミラーがミスをしてはらんだことで、その差はさらに縮まった。そして6ラップ後には絶好のチャンスが訪れ、ミラーをとらえてついに2番手に浮上した。この時点でトップとの差は約3秒。しかし決して慌てることなく、安定した走行を続けながら着実に近づき、残り4ラップまでに0.6秒差と迫ると、パスのチャンスを窺った。クアルタラロは第1セクターと第4セクターを得意としているが、バニャイアは第3セクターでアドバンテージを発揮する。こうした状況のなかで、じりじりと詰めながら一時は0.151秒差まで迫ったが捉えることができず、0.364秒差の2位でチェッカー。これでフランス人ライダーとしてトップとなる、最高峰クラス19回目の表彰台を獲得することとなった。一方のモルビデリは16番グリッドからスタート。激しい混戦のなかでオープニングラップを終え、序盤の数ラップで20番手に落ち着くと、その後は安定したリズムで周回を重ねていった。前方でのクラッシュやリタイアにより、いくつかポジションを上げたものの、同時にD・ペトルッチ(KTM)、バレンティーノ・ロッシ、L・マリーニ(ドゥカティ)とのバトルで後退。後半は単独走行となり、まだ完治の状態ではないにもかかわらず、最後までリズムを維持して27ラップを走り切った。最終ラップではマリーニをパスし、5戦ぶりのグランプリを18位で終えた。この結果、クアルタラロはチャンピオンシップ・ポイントを234とし、48ポイントのリードを保ってランキングトップをキープ。モルビデリは今回はノーポイントとなっているが、第8戦までに獲得した合計40ポイントでランキング17位につけている。Monster Energy Yamaha MotoGPは合計329ポイントでチーム・ランキングトップ、ヤマハは合計262ポイントでコンストラクターズ・ランキング2位となっている。チームは9月21日と22日の2日間、Misano MotoGP Official Testに参加し、2週間後にはアメリカはテキサス州オースティンのCircuit of The Americasで開催される第15戦に臨む。ロッシとドビツィオーゾは17位と21位スタートで出遅れたロッシは集団に追いつくまでに数ラップを擁したが、その後2つポジションを上げるとリズムをつかみ、さらにペースを上げていった。18ラップ目に17位に浮上。しかしレース終盤は前との差を詰めることができず、ポジションをキープしてチェッカーを受けた。チャンピオンシップ・ポイントでは合計28ポイントのランキング21位となっている。一方、今回からチームに加わったドビツィオーゾは、PETRONAS Yamaha SRTのライダーとしての初レースを順調にスタート。しかし中盤ではコースリミット越えによるロングラップ・ペナルティを受け、その後は集団から離されて挽回はかなわず、約10ヵ月ぶりの出場となったMotoGPを21位で終えている。Monster Energy Yamaha MotoGPファビオ・クアルタラロ(2位)「最終ラップでバニャイア選手をパスしようと考えていたのですが、今日は彼の走りが素晴らし過ぎました。私も全力を尽くしましたが、どうしても届きませんでした。正直なところ、レース中はチャンピオンシップのことはほとんど忘れていました。そして何度もフロントを滑らせそうになり、すべてを失ってしまうかもしれない状況でしたが、最終的には20ポイントを獲得することができ本当に良かったと思います。今は、明後日のテストが楽しみです。いくつか試してみたいことがあるのです。残り4戦となりましたが、現時点でほぼ2レース分のアドバンテージを確保しています。それだけにレース後の今、ドライ・コンディションが最後まで続いてくれたことを、とてもありがたく感じています。昨年はチャンピオンシップのことを考えすぎてしまい、それが私のウイーク・ポイントとなりました。でも今日はまったく反対で、あまり考えないまま限界まで攻めることができました。レース後に父が、まるでチャンピオンのような走りだったと言ってくれて、うれしく思いました。今日はペースが素晴らしく、あとわずかと迫ることができたので、2回目のミサノもエンジョイできるよう、また全力でトライします」フランコ・モルビデリ(18位)「厳しい戦いでしたが、何よりレースに復帰することができてうれしいです。スタートがうまくいったので初めの数ラップは集団についていき、バトルを楽しむこともできて順調でした。実は午前中の時点では脚に少し違和感があったため、出場は不可能かもしれないと考えていました。でも痛み止めとアドレナリンで、レースを最後まで走り切り、しかも非常に安定したので良かったと思います。マシンのことも少しずつわかってきて良い状態ですし、今はとてもハッピーな気持ちです。セッティングと自分自身のフィーリングを着実に向上させながら、同時に新しいアイテムをトライすることも必要です。このあとのテストがとても重要になるので楽しみにしています」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「クアルタラロ選手はいつも通りに素晴らしい仕事をしてくれました。スタートでわずかに遅れてしまいましたが、私たちの計算では、ライバルたちが使用していたリアのソフト・コンパウンドは残り10ラップ頃から落ち始めるはずでした。そして、その通りになったのです。クアルタラロ選手はプレッシャーをかけ続けまし...
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