マレーシアの石油大手ペトロナスは、今シーズン限りでMotoGPでのセパン・レーシング・チーム(SRT)のタイトルスポンサーから撤退することを発表した。SRTは、2015年にMoto3クラスでグランプリデビューを果たし、Moto2クラスに拡大。2019年には、ペトロナスの支援を受けてヤマハの新しいサテライトパートナーとしてMotoGPにステップアップ。Moto2からファビオ・クアルタラロを育て、2017年のMoto2チャンピオンのフランコ・モルビデリと契約した。
チームは大成功を収め、ファビオ・クアルタラロはYZR-M1の“Bスペック”バージョンで7回の表彰台と6回のポールポジションを獲得した。2020年にはSRTはチームとして6勝を挙げ、ファビオ・クアルタラロがファクトリースペックのM1、フランコ・モルビデリが1年落ちの“Aスペック”のM1という編成で、モルビデリがスズキのジョアン・ミルに次ぐランキング2位となった。SRTは、MotoGPチームへの道としてMoto2およびMoto3プロジェクトを使用し、若い才能の育成の場になることを常に望んでいた。噂されているように、SRT所属のMoto3ライダーのダリン・ビンダーが2022年にMotoGPに直接ジャンプした場合、これは1人のライダーにのみ発生する可能性がある。SRTは、マーベリック・ビニャーレスが今シーズンの終わりにヤマハのファクトリーチームを辞めることを選択して以来、2022年のライダーラインナップのジレンマに突入した。ヤマハはフランコ・モルビデリを来年ファビオ・クアルタラロのチームメイトとしてファクトリーチームに昇格させるため、バレンティーノ・ロッシの引退は、SRTが2022年に2人のライダーを見つける必要があることを意味する。主な選択はスターMoto2ルーキーのラウル・フェルナンデスだった。ヤマハは彼のライディングスタイルに適していると感じており、SRTに乗せたいと考えた。しかし、フェルナンデスは今後2年間KTM契約に拘束されており、Tech3チームにステップアップする予定となっている。バレンティーノ・ロッシの弟子マルコ・ベゼッキもSRTの候補だったが、来年はルカ・マリーニと一緒にVR46ドゥカティチームと共にMotoGPに昇格する。また、ペトロナスがSRTとのタイトルパートナーシップから撤退する計画により、チームはMotoGPプロジェクトを保護するためにMoto2チームとMoto3チームを廃止するという。また、ヤマハはSRTとの契約を再交渉し、2022年に2台の“Bスペック”のM1(基本的には非稼働バイク)を提供すると報じられている。