Monster Energy Yamaha MotoGPのF・クアルタラロとマーベリック・ビニャーレスはQ2セッションの最終ラップで全力を出し切り1-2を達成。セッション序盤はしばしば雨が降り、その後、晴れて急速に路面が乾いていく非常に難しいコンディションのなか、ふたりは最後の最後でトップを目指す完璧な走りを見せた。PETRONAS Yamaha Sepang Racing TeamのF・モルビデリは変わりやすいコンディションのなか、初めからスリック・タイヤを装着する賭けに出て4番手獲得と健闘。チームメイトのバレンティーノ・ロッシは9番手でグリッド3列目となっ...
クアルタラロが3戦連続ポールポジション獲得クアルタラロは初めウエット・タイヤを装着して1ラップを走行したが、すぐさま状況を判断し、ドライ用マシンに乗り換える決断。ピットに戻り、残り11分強で再びコースに復帰した。その後、多くのライダーがスリック・タイヤに履き替えてラップごとに路面が乾いていく段階になると、次々にタイムが更新されて激しく順位が入れ替わる。しかしクアルタラロは最後まで冷静さをキープし、最も条件が良くなる最終ラップにすべてを賭けた。そしていきなり1分32秒600に更新してトップに浮上。これで3戦連続のポールポジション獲得を決めた。チームメイトのビニャーレスは真っ先にコースに飛び出し、ウエット・タイヤでペースをつかんでいた。しかしまもなくして、クアルタラロと同様にスリックへの変更を決断。ピットに戻ってマシンを乗り換えると、最初の3ラップはタイヤを暖めるために慎重にペースを上げていった。7ラップ目の好タイムがコースリミット越えによりキャンセルされたあと終盤まで更新することができなかったが、最終ラップでついに1分32秒681へ短縮。クアルタラロに0.081秒差と迫る2番手を獲得した。モルビデリが、サテライト勢トップの4番手獲得午前中に行われたフリープラクティス第3セッションがウエット・コンディションとなったため、前日のタイムによりQ2進出が決定したモルビデリ。このセッションは雨の走りの感触を確かめながら1分43秒700で17番手につけていたが、セッション終盤では、マシン交換の際に左足首をひねる場面も。Q2では序盤でトップに立ち、その後も上位をキープ。終盤は雨粒と格闘しながら1分32秒766を記録し、サテライト勢トップの4番手を獲得した。チームメイトのロッシもまた、前日のタイムによりQ2進出が決定。寒さと雨に見舞われたフリープラクティス第3セッションと第4セッションは、さまざまなコース・コンディションでのデータ収集に充てた。Q2ではモルビデリと同様、早々にスリック・タイヤを装着して一時はトップに浮上したが、最終セクターでオーバーランがあり、その後のアタックを計画通りに進めることができなかった。最終的には1分33秒391まで短縮したものの9番手に留まり、3列目からのスタートが決定している。Monster Energy Yamaha MotoGPファビオ・クアルタラロ(予選トップ/1分32秒600)「これまでで最もナーバスになった予選セッションだったと思います。母国フランスだからというわけではありません。フロントにソフト、リアにミディアムのウエット・タイヤを装着することにしたのですが、ミディアムはそれまで一度も試したことがなかったのです。ドライとウエットが混在するコンディションでは調子が上がりませんでした。でも路面を見ると乾いていたので、"スリックに履き替えろ"と心のなかで叫んだのです。そして最終ラップでは、"OK! ついにチャンスが巡って来た! ベストを尽くせ! フロントローかクラッシュかどちらかだ!"という心境になりました。最終セクターにウエットが残っている状態で、何度も激しく振られましたが、何とかやり遂げました。目標はフロントローでしたが、ポールならもっとうれしいです」マーベリック・ビニャーレス(予選2番手/1分32秒681)「今日は非常に順調で、スターティング・グリッドの好位置を獲得することができました。でも最終ラップで何度もミスをしてしまったために、残念ながらポールポジションには手が届きませんでした。いずれにしてもリズムはとても良いので、明日の決勝に生かせると思います。またフリープラクティス第4セッションではユーズド・タイヤを履き続けて感触を確かめましたが、このときもフィーリングは絶好調でした。今日の結果に満足しており、明日までにさらに改善を目指したいと思っています」マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)「今日の予選セッションではたくさんのサプライズがありました。天候が2分ごとに変わったことだけではなく、Q2の最後の最後で1-2を達成できるとはまったく予想していませんでした。ファビオ(クアルタラロ)とマーベリック(ビニャーレス)は絶好のタイミングでアタックし、見事なラップタイムを叩き出しました。そして今季初めての1-2スタートが決定し、チームに大きな励みとなりました。しかしながら、決勝は天候に大きく左右されることになるでしょう。明日に備えてウエット・セッティングをもっと改良していく必要があると考えており、ウォームアップ・セッションが雨になれば、そのために利用し、ライダーたちのフィーリング向上も目指したいと思います。これまでフル・ドライのコンディションで好調なので、やはり好天を期待しますが、ここの天気は変わりやすく誰にも予想がつきません。あらゆる可能性を考えて準備をしなければなりません」PETRONAS Yamaha Sepang Racing Teamフランコ・モルビデリ(予選4番手/1分32秒766)「今日の結果に満足しています。変わりやすいコンディションで難しい状況でしたが、それらを克服し、予選に備えて良い作戦を立てていました。その結果として、この4番手とセカンドロウを獲得することができたのです。足首はクリニカ・モバイル(移動診療所)で手当てしてもらい、ライディングに支障はありません。タフなレースになると思いますが、上位を狙うには2列目から好スタートを切ることが重要です。明日は表彰台獲得が目標です」バレンティーノ・ロッシ(予選2番手/1分33秒391)「Q2でスリック・タイヤを使用する作戦が、いくらかアドバンテージになりました。アタックを行った2周目は水たまりに乗って危うく転倒しそうになってしまい、最後の2つのコーナーで100%を出し切ることができませんでした。そしてこのあとは、完璧な自信を持って走ることができなくなりました。しかしながら今週は、前の数回と比べてペースが上がっていますし、フィーリングも良くなっています。天気の予想がつかず、明日はどうなることか。決勝は約42分、今日はその間にウエットとドライが3度も入れ替わり、これが本当に難しいのです。個人的に...
全文を読む