2021年のMotoGP 第5戦フランスGPが、5月14日(金)~16日(日)の3日間、ル・マン・サーキット(ブガッティ・サーキット)で開催される。フランスGPは、1951年に第1回大会が行われ、今年で58回目を迎える。ル・マンでは、1969年に初めてグランプリが開催された。その後、ポール・リカール、ノガロ、マニクールなどを経て、2000年に再びグランプリの舞台となり、今年で22年連続、ル・マンでは通算34度目の開催となる。
昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で大幅にカレンダーが変更となり、10月上旬に開催されたが、今年は例年通り5月の開催となった。ル・マンは、自動車の24時間耐久レースの舞台としても知られている。このレースは、一部に一般道路を利用するサルト・サーキットで行われる。一方、グランプリや2輪の24時間耐久レースは、一周4.185kmのブガッティ・サーキットで行われる。ブガッティは、全体的にストレートが短く、典型的なストップ&ゴーのレイアウト。パッシングポイントが少なく、シケインやヘアピンが勝負どころとなり、激しいブレーキング競争が見もの。俊敏な旋回性とエンジンの鋭い加速性能が問われるル・マン。こうした特徴を持つサーキットだけに、決勝レースではグリッドが非常に重要となり、予選では激しいアタック合戦が繰り広げられることになる。昨年は、レースウイークを通じて不安定な天候となった。決勝スタート直前に雨が降り始めると「Wet」が宣言され、定刻より10分遅れでスタートした。気温12℃、路面温度14℃という厳しいコンディションだった。5月、6月に開催されていた過去13年を振り返っても、07~09年の3年間と、12年と13年は雨のレースとなり、レース中にマシンを乗り換えることができる“フラッグ・トゥ・フラッグ”が適用されるなど、不安定な天候になることが多く、的確なセットアップが求められる。2000年にル・マンのフランスGPが復活してから過去20年間でHondaは10勝を挙げている。ケガから復帰のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、今大会が3戦目となる。復帰第一戦となったポルトガルGPは7位。前戦スペインGPは9位。今大会も引き続き、右腕の状態を確認しつつ完全復帰を目指す。過去マルケスは、Moto2時代の11年に、MotoGPクラスでは、14年、18年、19年と3度優勝している。今年も不安定な天候が予想されるが、徐々にペースを取り戻しているマルケスの走りに注目だ。チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、移籍5戦目を迎える。開幕戦カタールGPは8位、第2戦ドーハGPは13位、第3戦ポルトガルGPはトラブルでリタイア、そして前戦スペインGPは10位と苦戦が続いている。しかし、スペインGP後に行われた公式テストでは問題点を徹底的に追求し大きな前進を果たした。2010年の大会では125ccクラスで優勝。このときはマルケスが3位になっており、フランスGPで一緒に表彰台に立っている。昨年、ウエットコンディションで開催された大会では3位表彰台獲得。今大会はHonda移籍後の初表彰台、初優勝を目指す。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、自身初の表彰台獲得に挑む。序盤のカタールラウンド2戦ではマシンのバランスに苦しんだが、第3戦ポルトガルGPではフリー走行の転倒の影響で最後尾21番手から10位まで追い上げ、前戦スペインGPでは、表彰台にあと一歩の4位と調子を上げている。過去フランスGPでは、09年に125ccクラスでベストリザルトの5位、Moto2時代には、13年にキャリア初のPPを獲得している。相性のいいサーキットだけに、今大会の走りに大きな注目が集まる。アレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、得意のコースで今季ベストを目指す。デビューシーズンとなった昨年は、不安定な天候の中で初表彰台獲得となる2位でフィニッシュした。今年はマシンのセットアップに苦戦し、カタールラウンドの2戦は転倒リタイアだったが、徐々に調子を上げ、第3戦ポルトガルGPは8位でフィニッシュ、前戦スペインGPではさらに上位を目指したが、他者の転倒に巻き込まれて惜しくもリタイアだった。過去、ル・マンでは、Moto2時代の18年に2位、19年に優勝している。今大会は、昨年のレースの再現、そして初優勝に挑む。*過去、最高峰クラスで優勝したHondaライダーは、83年と85年にフレディ・スペンサー(NS500) 、以後、エディ・ローソン(NSR500)、ミック・ドゥーハン(NSR500)、アレックス・クリビーレ(NSR500)、バレンティーノ・ロッシ(RC211V)、セテ・ジベルノー(RC211V)、マルコ・メランドリ(RC211V)、ケーシー・ストーナー(RC212V)、マルク・マルケス(RC213V)が優勝している。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「ヘレスからのインターバルは休養を取りつつ、トレーニングとリハビリを続けました。今週末の目標は複雑な問題を一つでも解消し、引き続き前進できるように取り組むことです。一歩一歩強くなっています。ル・マンの天気は変わりやすく、トリッキーなコンディションになることが多いので、どのような天気になってもいい走りができるようにしたいです」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「スペインGPが終わった月曜日のテストはとても有意義でした。いろいろなことにトライし、Hondaのマシンへの理解をさらに深めることができました。昨年はウエットコンディションでレースが行われ、表彰台に立つことができました。もちろん、今年はドライで戦いたいです。しかし、天気は誰にとっても同じであり、新しいコンディションでこのバイクを試す機会になります。モチベーションはいつものように高く、今週末の戦いに向けて興奮しています」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「ヘレスではいいレースをすることができたので、ル・マンがとても楽しみです。引き続きこの調子をキープしてがんばりたいです。今週末は安定性が鍵を握ると思います。なぜなら今年もトリッキーなコンディションになりそうだからです。どんな天候、コンディションになってもいいように準備しなければなりません。そして、ベストを尽くしたいです」アレックス・マルケル(LCR Honda CASTROL)「ヘレスは難しい週末となりましたが、ル・マンへ向けて再びモチベーションは100%です。スペインGP後の月曜日に行われたテストでは、改善の方向生を見つけることができたので、今週末は前進したいです。ル・マンは天候が変わりやすくトリッキーなサーキットです。雨が降りそうなので、どんなコンディションになってもいいように準備をし、臨機応変に挑みたいです。初日からレースに照準を当てて、ヘレスよりもいいフィーリ...
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