2018 MotoGP世界選手権シーズンの幕開けを告げる第1戦カタールGPが、3月18日にロサイル・インターナショナル・サーキットで開催された。ドゥカティ・チームのアンドレア・ドヴィツィオーゾは、カクテルライトに照らされたナイトレースを見事な勝利で飾った。ドヴィツィオーゾは2列目からのスタート。良いスタートは切れず、オープニングラップ終了時点の順位は7位だった。
しかし、その後はトップグループに食い込み、マルク・マルケス(ホンダ)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ヨハン・ザルコ(テック3ヤマハ)らとバトルを演じ、18周目についにトップに立った。だが、マルケスが執拗に食い下がり、最終コーナーで最後のアタックを仕掛けて来た。ドヴィツィオーゾはしっかりとインを守り、デスモセディチGP18の加速パフォーマンスを活かして、0.027秒差でフィニッシュラインを通過した。ドヴィツィオーゾがこれまでドゥカティ・マシンで記録した勝利数は7。ロリス・カピロッシと並んで歴代2位タイだったが、今回の勝利により、ストーナーに次ぐ単独2位となった。一方、チームメイトのホルヘ・ロレンソは、不運の展開を強いられた。3列目、9番グリッドからスタートしたロレンソは、スタート直後の混乱に巻き込まれたが、その後12周目には、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)やジャック・ミラー(プラマック・ドゥカティ)とともに10番手までポジションを回復した。しかし、その直後の13周目、メカニカル・トラブルに見舞われてクラッシュ。リタイアを余儀なくされた。第2戦のアルゼンチンGPは、4月8日にテルマス・デ・リオ・オンド・サーキットで開催される。アンドレア・ドヴィツィオーゾ(Ducati MotoGPチーム #04)1位「オフシーズンのマシンの進化が確認できていたので、今回の勝利は本当に嬉しい。スタートには失敗してしまったが、レースをうまくコントロールすることができた。オープニングラップでは、もしスロットルを緩めなかったらリンス(アレックス:スズキ)とクラッシュしていたと思う。その後は、タイヤを温存しながらポジションを回復した。終盤、ザルコをパスしてからはマルケスやロッシから逃げようと思ったが、タイヤのグリップが不足して、リードを拡げることができなかった。マルケスが最終コーナーで仕掛けてくることはわかっていたので、かなり注意をしていた。それが功を奏したようだ。オーストリアや日本の時よりも厳しくインを閉めてきたが、縁石に乗り上げながらインからパスできた。その後はデスモセディチのパワーを活かして振り切ることができた。本当に満足だ!」ホルヘ・ロレンソ(Ducati MotoGPチーム #99) リタイア「最高の週末ではないことは確かだ。数多くのトラブルを抱えていて、あのクラッシュもフロントブレーキのトラブルが原因だった。2周目から違和感があったので、なんとか対応しようと思っていたが、状況はさらに悪化してしまった。おそらくはオーバーヒートではないかと思うが、イアンノーネ(アンドレア:スズキ)をもう少しで捉えられるところからマシンが止まらなくなったので、ダメージをさらに悪化させないように走行した。とにかく原因を究明して、トラブルの再発を防止しなければならない。ラップタイムは悪くなかっただけに残念だ。マシンに問題がなかったら、トップグループに近いところでレースができたと思う」クラウディオ・ドメニカーリ(ドゥカティ・モーター・ホールディングCEO)「素晴らしいレースだった!力のあるライダーが増えてきて、MotoGPがさらに面白くなっている。しかし、ここロサイルでは、我々のマシンは素晴らしいパフォーマンスを示し、本当に速かった。アンドレアは、スタートこそ手間取ったが、その後は見事なライディングだった。経験豊富で成熟したライダーであり、マシンに全幅の信頼を置いているので、レースを完璧にコントロールできたのだと思う。マルケスとロッシも素晴らしかったが、“デスモ・ドーヴィ”が一枚上手だった。ホルヘのリザルトは残念だ。ポジションを回復している時に不運なクラッシュに見舞われた。2018年開幕戦の勝利をドゥカティとドゥカティ・コルセの全スタッフに捧げると同時に、デスモセディチGP18をここまで仕上げてきた彼らの献身的な働きに感謝の意を表したい。マシンはすでに素晴らしい状態になっている!」
全文を読む