ミック・シューマッハ(26歳)は、キャデラックF1チームの2026年ラインアップから外れたことが大きな転機となり、モータースポーツで「自分が何を求めているのか」を見つめ直す結果につながったと明かした。2023年のハースF1以来、メルセデスおよびマクラーレンのリザーブとしてF1との関係を保ってきたが、最終的にはアルピーヌからFIA世界耐久選手権に参戦。その後もシングルシーターへの意欲が強く、今回インディカーへの挑戦を決断した。
キャデラック落選が下した“決断”シューマッハは、キャデラックF1が2026年のドライバーとしてセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスを選んだことについて、「理解できる判断だった」と語る一方で、最終盤まで自分も候補に残っていたと明かした。「状況としてはタフだったけれど、彼らが別の方向に進むという判断は理解できる。最後の最後まで僕たちは候補にいたけれど、別の方向に向かった。それを受けて、自分は何を望むのかを理解しなきゃいけなかった」「F1グリッドに戻ることを目指し続けるのか、それとも自分が楽しめるレースをするのか。僕にとって、それはシングルシーターだった。だからこそ、この機会が訪れて本当にうれしい」RLLでインディカーデビューへシューマッハはセブリングやロードコースを含むテストを経て、Rahal Letterman Lanigan Racing(RLL)からインディカーデビューを果たす。「シングルシーターの道を再び極めるのは興味深い挑戦で、より落ち着いて取り組めている。インディカーはベストな選択だったし、長期的に続けられるか自分に確認する必要があった。ここにいるということは、100%コミットしているということだ」“F1復帰の扉は閉じていない”インディカーへの転向について、F1への道が閉ざされる懸念はないと強調する。「F1は特別な世界だけれど、シングルシーターであることは変わらない。いろんなドライバーが他のカテゴリを経験しながらF1に関わり続けた例はいくつもあるし、僕がインディカーに移ることで扉が閉ざされるとは思わない」オーバル完全参戦へ“覚悟の決断”ルーキーの一部はオーバルを限定参戦するが、シューマッハはシーズンを通して全オーバルに挑む。「半端な形ではなく、100%で取り組みたかった。オーバルもその一部だ。もちろん危険性についても考えたけれど、モータースポーツ全体が危険なのは同じだ」「多くの人と話して前向きな意見も否定的な意見も聞いたうえで、自分で判断した。スピードはものすごく速いし、サイド・バイ・サイドの戦いもある。でもリスクを受け入れて、その上でレースを楽しみたい」“学ぶことは多い、でも楽しみしかない”インディアナポリス・モーター・スピードウェイでのテストは大きな自信につながったという。「本当の意味でのオーバル走行はまだ家のシムでしか経験していないけれど、実車で学ぶのが楽しみだ。良いことも悪いこともあり、それがパフォーマンスに影響する。学ぶべきことはたくさんあるけれど、それが楽しみだ」シューマッハは4種のオーバル、2つのロードコース、そしてセブリングでのストリートシミュレーションを含む大規模なプレシーズンテストに臨む予定だ。