2025年F1 マイアミGPのチーム代表記者会見。5月2日(金)のマイアミグランプリのスプリント予選前に実施された。参加したチーム代表は■ トト・ヴォルフ(メルセデス)■ オリバー・オークス(アルピーヌ)■ クリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング)
Q:トト、君から始めよう。ジョージ・ラッセルが昨日、「5戦で3回の表彰台は、チームの予想を超えている」と言っていた。君もそう思うか?トト・ヴォルフ(以下TW): ああ、おそらくそうだ。なぜなら、我々はパフォーマンスに波があったし、あるレースではフェラーリがこちらに迫ってきた。ジョージは素晴らしく守ってくれた。だから全体的に接戦ではあるけど、正直なところ満足はしていない。マクラーレンはタイヤマネジメントが非常にうまいし、結局は三つ巴の戦いになっている。あるレースでは成功して、別のレースではうまくいかない。その原因を突き止めようとしている段階で、まだ追いかける側だ。Q:W16にはどれだけのポテンシャルがある?このチャンピオンシップ争いに加われると思うか?TW: このマシンはかなり扱いやすくなっている。たとえばフラップを増やせば、マシンは期待通りの反応を返してくる。以前のマシンはそうじゃなかった。予測可能性が高まっている。ただし根本的な問題はタイヤの温度を適正ウィンドウに保つこと。これをしっかり達成する手段は、まだ見つかっていない。Q:今後もこのマシンを深く開発していくのか、それともすでに2026年に向けてリソースを移行しているのか?TW: すべてのチームが自分たちの「秘密」を抱えている。しかも状況は常に動いている。我々は空力部門の一部や設計部門の大きなグループを、すでに来年のクルマに集中させている。開発初期はダウンフォースの伸びが大きいが、いずれそれも鈍化する。リソースの移行を1.5ヶ月早く始めたチームがあれば、来年はそれが大きな武器になる。Q:F1史上最も成功したドライバー(ルイス・ハミルトン)がチームを離れた。現在のチーム内のダイナミクスはどうか?ジョージとキミ(アントネッリ)はその穴をどう埋めている?TW: まず最初に言っておくが、ルイスとは今でも良好な関係だ。今でも彼と一緒に旅行するし、よく会っている。昨年、まるで12年連続で親友と休暇を過ごすような関係で、そろそろ違うことをやってもいい頃だという空気があった。ルイスにとってはリフレッシュや再出発が必要だった。フェラーリは象徴的なチームだし、彼にとって魅力的な条件もあったのだろう。一方で、我々にはキミがすでに準備できていた。今年起用しなければ来年だっただろう。今から彼を起用することで、レギュレーション変更前に経験を積ませることができる。たとえばこのマイアミのような未経験のコースもあるが、それを今のうちに学ばせるのは正しい判断だったと思っている。Q:今年のガレージの雰囲気はどう変わった?TW: 変わったとは思わない。ルイスは家族の一員だった。彼は何を求めているかを理解していて、エンジニアやメカニックもそれを理解していた。お互いに長年の信頼関係があったから、日によって調子の波があっても対応できた。今の関係性はまた別の形だ。ジョージはシニアドライバーとして大きく存在感を増している。キミは“弟”のような存在で、2人はうまくやっている。それは非常に嬉しいことだ。キミはプレッシャーを感じないタイプで、着実に成長している。一方のジョージは、ラップタイムやレースにおいて信頼できる存在だ。チームの士気は高い。Q:ジョージが“成長した”というのは具体的にどういう点か?TW: これは本当に明確だ。7度の世界王者がチームを離れたことで、かつてルイスの陰にいたジョージが、今やマシンの開発方向を導く立場にある。「ジョージ、このクルマに速さはあるか?」と聞けば、彼の答えに頼ることができる。それこそが重要なことなんだ。Q:その成長が続けば、ジョージと再契約するか?TW: この質問が来ることはわかっていた。ジョージはずっとメルセデスファミリーの一員だ。今のチームが良い流れにあるなら、それを壊す理由は見当たらない。Q:オリバー、チームにとってはややフラストレーションの溜まるスタートになっているようだが、これまでのところポイント獲得は1回のみ。このマシンにどれくらいのポテンシャルがあると見ている?オリバー・オークス(以下OO): 「フラストレーション」という言葉がまさに的確だと思う。オーストラリアではちょっと運に見放された感じがあった。バーレーンでは本来のポテンシャルを見せられたから、あれが我々の立ち位置をよく示していた。ただ、今シーズンはトラックごとのパフォーマンスの振れ幅が大きい。チャンスを活かす必要があるが、それがまだうまく噛み合っていない。でも、前向きに取り組んでいる。Q:なぜ「噛み合わない」状況になっている?OO: それが簡単にわかれば苦労しない。たとえばオーストラリアでは天候やセーフティカーの影響があったし、中国は我々にとって難しい週末だった。あのコースはクルマに合っていなかった。今のミッドフィールドは本当に接戦で、今年はずっとそうなると思う。クルマには確実にパフォーマンスがあるから、それを安定して出せるようにしていく。Q:昨年チームに加わったときに「レーシングスピリットを取り戻す」と言っていた。それは実現できたか?OO: かなり前進はできていると思う。当時この言葉を使ったのは、チームの状況や報道の内容を見てのことだった。今ではチームとしてまとまりがあるし、昨年後半には良い結果も出せた。トラックサイドでも良い仕事ができている。でも、もちろんそれで満足してはいない。もっと上位で戦いたい。Q:トトが語ったように、ジョージが一段と成長したとのことだが、ピエールにも同じような進化が見られるか?OO: ああ、彼は経験豊富なドライバーとして、実質的にチームのリーダー的存在だ。昨年から素晴らしい走りを見せていたし、今年もその調子を維持している。新しいクルマでは、彼が快適に感じるバランスを見つけることが重要になる。週末によってフィーリングに差はあるが、彼はチームにとって非常に有益な存在で、我々を前進させてくれている。Q:ジャック・ドゥーハンについて。先週アルゼンチンで「イモラではフランコ・コラピントが代わりに出場する」という話が出たが、どう受け止めた?OO: そ...