メルセデスF1代表のトト・ヴォルフは、キミ・アントネッリの快進撃の裏側に、レースエンジニアを務める“ボノ”ことピート・ボニントンの存在があると明かした。マイアミGPで3連勝を達成し、F1史上最年少のランキング首位に立ったアントネッリ。ヴォルフは、その成長を支えているのが、かつてミハエル・シューマッハやルイス・ハミルトンを担当したベテランエンジニアだと強調した。
“ボノ”が支えるアントネッリの急成長ピート・ボニントンは、メルセデスで長年にわたってトップドライバーたちを支えてきた名エンジニアとして知られている。ミハエル・シューマッハの復帰時代にレースエンジニアを務め、その後はルイス・ハミルトンと12年間にわたりコンビを組み、数々のタイトル獲得を支えてきた。ハミルトンがフェラーリへ移籍した後、ボニントンは2025年からキミ・アントネッリを担当。アントネッリは今季、3連勝を達成し、わずか19歳でF1史上最年少のランキング首位に立っている。トト・ヴォルフ「良きメンターであり、厳しいボスでもある」マイアミGP後、アントネッリへの無線対応について質問されたヴォルフは、ボニントンの手腕を高く評価した。「ボノはシューマッハ、そしてハミルトンから長年学んできた。そして今はキミを担当している」とトト・ヴォルフは語った。「彼はキミにとって良きメンターである一方で、厳しいボスでもある」ヴォルフは、決勝中にアントネッリがトラックリミット違反の警告を受けていた場面についても言及した。「今日はすでに2回警告を受けていたので、僕はボノに『あと1回で僕が無線に入るぞ』と言ったんだ」「すると彼は『いや、いや、それは私に任せてください』と言った。彼はどう扱うべきかを理解している。それが成功の一部なんだ」“才能”だけではなく“育成”も重要視ヴォルフは、アントネッリのマイアミGPを「これまでで最高のレースだった」と評価する一方で、まだ育成段階にあることも強調した。「カート時代からジュニアカテゴリーまでの軌跡を見れば、彼が特別だったことは明らかだった」「そして昨年我々が話していた通りの成長曲線を描いている。素晴らしい瞬間もあれば、ミスを許容される瞬間もある」ヴォルフは、若手ドライバー育成では“プレッシャーとの向き合い方”が重要だと説明する。「我々は彼を導き続ける必要があるし、プレッシャーも与えなければならない」「彼は自分自身で分析できる。でも考えすぎない。“ミスをした。切り替える”という整理ができている」「彼の近くにいる我々全員が、同じメッセージを繰り返し伝え続ける必要がある。これは長期的なプロジェクトなんだ」メルセデスが描く“次世代王者育成”の理想形アントネッリの3連勝は、その才能だけでなく、メルセデス側の育成体制の成熟も浮き彫りにしている。特にボニントンのような経験豊富なエンジニアを若手ドライバーに組み合わせたことは、単なる速さだけでなく、精神面やレースマネジメントまで含めて育てるという明確な意図が見える。ヴォルフが「長いゲームだ」と繰り返したように、メルセデスは短期的な結果だけではなく、“次の時代を支配する存在”としてアントネッリを育てようとしている。
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