メルセデスは今週バルセロナで、他チームとは異なるフロントウイングを装着して走行している。W17は可動フラップが1枚のみという構成を採用し、さらにノーズ下には目を引くチャンネルが設けられている。新たな技術レギュレーションが導入される際には、解釈の違いが生まれるのは避けられない。とりわけマシンのコンセプトを左右するパーツではその傾向が強く、サイドポッドやサスペンションだけでなく、2026年に向けて思想と機能の両面で大きく見直されたフロントウイングも例外ではない。
FIAは、これまで各チームが年々強めてきたアウトウォッシュ効果を抑制しようとした。同時に、大きな新要素としてアクティブ・エアロダイナミクスを導入している。これは空気抵抗を低減し、パワーユニットに求められるエネルギーを抑えることを目的としたものだ。レギュレーションの定める枠内で、チームにはフロントウイングの解釈や、フラップを作動させるアクチュエーターの配置について一定の自由度が与えられている。例えば、アクチュエーターをノーズ下に配置することもできるし、レーシングブルズのようにメインプレーンに2つの要素を組み込むことも可能だ。多くのチームは、許容される最大数である2つの独立した要素を可動させる構成を選択し、アクティブ・エアロが使用できる場面でのドラッグ低減を最大化しようとしている。しかしメルセデスは別の道を選んだ。W17では、ノーズの支持ピラーが第2フラップに直接取り付けられており、この要素の可動域が制限されている。他チームはノーズをメインプレーンに結合し、2枚のフラップを回転させる構成を採っている。この点についてレギュレーションはそれほど厳格ではない。チームは可動要素を1つにするか2つにするか、またどのフラップを「プライマリー」「セカンダリー」として作動させるかを自ら選択できる。主な制約は回転軸の位置、可動フラップの数、そして標準位置からの最大変位量で、プライマリーフラップは30ミリ、セカンダリーフラップは60ミリと定められている。背景には、ウイングエレメントをどのように最適活用するかについての異なる考え方があるとみられる。メルセデスでは、実際に回転しているのは後方のフラップだけで、第2フラップは他チームとは異なる迎え角を持っているようだ。月曜日のテストでは、ブラックリーを拠点とするこのチームがフロントウイング周辺に多くの時間を割き、フロービズを用いて気流の挙動を分析していた。このメルセデスのアプローチは疑問も呼ぶ。これはシーズンを通して使われる解決策なのか、それともサーキット特性や求めるダウンフォースに応じてフロントウイングを変更していくのか。例えばシルバーストンは近年、比較的低ダウンフォースで走るサーキットへと変化してきた。昨年までは、内部構造を維持し外形のみを変更する限り、新たなクラッシュテストを行わずにシーズン中にノーズ長を変更することも可能だった。理論上は支持ピラーの位置を見直す余地もあるが、それが実際に行われるかどうかはシーズンが進んでから明らかになる。一部のチームによれば、アクティブ・エアロダイナミクスの使い方はサーキットごとに大きく異なり、直線区間で必ずしもダウンフォースを完全に「取り除く」ことが最適とは限らないという。また、W17のフロントウイングにはもう一つ注目すべき点がある。特定のコンポーネント配置によって、メルセデスはノーズ下にチャンネルを形成し、空気をフロアおよびTトレイ周辺へと導いている。そのため、このエリアには流れを制御するための小さな空力パーツが追加されている。さらに、シルバーストンで行われたフィルミングデーの映像を見ると、後方フラップの一部が固定されたままのようにも見える。そのセクション端部に設けられた金属製インサートは、気流を導き、小さな渦を発生させることで、この領域の空気の流れをマネジメントする役割を担っていると考えられる。
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