メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフが、2020年のF1世界選手権 第16戦 F1サヒールGPの決勝レースを振り返った。F1サヒールGPでは、新型コロナウイルスに感染したルイス・ハミルトンの代役として起用したメルセデスの秘蔵っ子であるジョージ・ラッセルが躍進。レースの大部分もリードし、優勝を手中に収めたかと思われた。
しかし、ジョージ・ラッセルに2度の悲劇が襲う。セーフティカー中のピット作業ミスによってラッセルは誤ったフロントタイヤに交換されたため、再度ピットインせざるを得なくなった。それでも、後方から挽回して2番手まで順位を上げていた残り9周時点で左リヤタイヤのパンクに見舞われて再びピットストップ。9位でレースを終えた。「まずはレーシング・ポイントとセルジオ(ペレス)の勝利、ランスとエステバンの表彰台におめでとうと言いたい。フレッシュで新しい表彰台を見るのは素晴らしいことだし、彼らは素晴らしい仕事をした」とトト・ヴォルフはコメント。問題のピットストップは、その時に装着していたハードタイヤでステイアウトすることもできたが、フリーストップの機会があったため利用したとトト・ヴォルフは説明。速すぎるメルセデスが陥った不運だった。「全体的に今日の我々は大きな混乱を招いた。セーフティカーまで我々にとって良さそうであり、強力な1-2を走行していた」とトト・ヴォルフはコメント。「ハードタイヤでも問題なく、ステイアウトすることもできたが、フリーストップのためのギャップがあり、そのチャンスを利用した。完全に正しい判断だったと思っているが、遅いコールと無線に問題があったことで、ボックスに正しいタイヤが出ていなかった。それがジョージが間違ったタイヤで出ていき、バルテリが到着したときと同じタイヤでピットを離れた理由だ。その後、我々は間違いを正すためにジョージを再びピットに入れなければならなかった」「その時はまだレースは失われておらず、彼は印象的な方法で反撃した。だが、そのあとスローパンクチャーに見舞われ、それが彼を下位に落とすことになった。このようなことは起こり得ることだが、当然、問題を調査し、そこから学び、前に進む必要がある」「メルセデスとの初レースでの記念碑的な走りの後、ジョージにとって胸が張り裂けるようなことだ。彼は勝っていたはずだ。今日はうまくいかなかったが、これがレースでの勝利に挑む最後の試みではないと確信している」「バルテリにとっても厳しいレースであり、最後に古いタイヤを履いているのは非常に困難だった。今週末から学び、アブダビではより強くなって戻ってきたい」
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