メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、各メーカー間のF1エンジンのパフォーマンス差を等しくするよなメカニズムが導入されれば、F1は悲惨なものになるだろうと主張する。フェラーリは、ホンダのF1エンジンを継続するためにレッドブルが要求する2022年のF1エンジンの開発凍結をサポートするというスタンスの変化の一環として、苦戦を強いられているエンジンサプライヤーがライバルに追いつけるようなメカニズムを導入することを求めている。
だが、当初、レッドブルの要求を唯一支持していたチームだったメルセデスのF1チーム代表であるトト・ヴォルフは、そのようなアイデアはF1には相応しくないと語る。「F1にとって終わりの始まりになると思う」とトト・ヴォルフはバーレーンでの記者団に語った。「パワーユニットは、純粋な最大パワーによって測定されるだけでなく、ドライバビリティ、重量、冷却といった課題があるし、すべてに適合する単純な形式を導入することは不可能だ」「それはメルセデスが支持するものではない」トト・ヴォルフは、2014年から2016年にF1エンジン開発のための導入された悪名高いトークンシステムを想起し、追いつくために性能調整システムに依存することはチームにとって“屈辱的”なことだろうと語った。「過去に施工されたレギュレーションにトークンシステムがあったが、キャッチアップするためにトークンの削除を希望する同僚がいたため、我々は2016年以降トークンの削除に同意しました」とトト・ヴォルフは説明する。「今、我々の同僚の何人かはコンバージェンスのシステムをまた持ち出している、正直に言って、それはちょっとした侮辱だ」「過去数年間とエンジンのパフォーマンスの開発を見れば、フェラーリは明らかに2018年に最も強力なエンジンであり、2019年には群を抜いて一番だった。そして、我々はエンジンを開発し、限界を押し上げ続けてきた。そして、2020年に我々は追いつくことを望んでいたものをトラックに持ち込んだ」「だからこそ、パワーユニットとシャシーを開発する能力を信頼している自動車メーカーが、パワーユニットのバランスをとる何らかのメカニズムを望んでいることは理解できません」「公の場でそのような屈辱を受け入れる人などいないと思う」トト・ヴォルフは、F1に性能調整を導入すれば、スポーツの議論を損なうだけだと警告する。「DTM(ドイツツーリングカー選手権)で似たよなことが行われているが、レース後に耳にするのは『まあ、マシンに5kgのバラストが積まれてなければ勝っていただろう』というような発言ばかりだ。それがDTMシーズン全体のストーリーだった」「F1はそのような状況を可能な限り遠ざけるべきだ。さもなければ、システムを巧みに処理するという話題のためだけにパワーユニットを設計するGTのようになってしまう」