メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、メルセデス・ベンツがアストンマーティンへの出資を20%増やすという計画がどちらの会社のF1チームにも影響を与えることはないと主張する。今年は特に、メルセデスとレーシング・ポイント(来年からアストンマーティンF1として参戦)の繋がりは強くなっている。
レーシング・ポイントの今季マシン『RP20』は“ピンクメルセデス”と揶揄され、昨年のタイトル獲得マシンであるメルセデスW10のリアブレーキだくとを“コピー”した罪で、コンストラクターズ選手権から15ポイントの剥奪と40万ユーロの罰金を科せられた。レーシング・ポイントは、メルセデスからF1エンジンの供給を受けている他にも技術規則で許可されているノンリステッドパーツを多数購入している。最近、メルセデス・ベンツは、アストンマーティンの株式保有率を今後3年間で最大20%まで増すすことに合意したことを発表した。増資は段階的に行われ、現在の2.6%の出資比率となっているメルセデス・ベンツは、レーシング・ポイントの所有者であるローレンス・ストロールに次いでアストンマーティンの2番目に大きな株主となる。メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフもアストンマーティンの個人株主だが、F1チームイとの繋がりはない。メルセデス・ベンツがアストンマーティンに増資することで、両者のモータースポーツプログラムに影響を与えるかと質問されたトト・ヴォルフは、現在、何も変更は予定されていないと語った。「いいえ、当面はそのようなことはない」とトト・ヴォルフは語った。「アストンマーティンF1チームは、アストンマーティンカーズから完全に独立している」「ダイムラーの株式保有は、レーシング側ではなく、純粋に自動車会社のメリットに基づいて決定されたものだ。私の観点からは、何も変わらない」2つの自動車メーカー間の契約は技術移転に重点を置かれており、アストンマーティンは将来の発表される製品において2027年までハイブリッドおよび電気技術を含むメルセデスのパワートレインアーキテクチャにアクセスできる。ローレンス・ストロールは、メルセデス・ベンツとのパートナーシップがアストンマーティンにとって“変革の瞬間”であり、“世界で最も偉大な高級車ブランドの1つ”になる道を開いたと語った。アストンマーティンのワークスとしてグランプリレースへの復帰は、F1活動が別のオーナーシップの下にあるとしても、ブランドに対するローレンス・ストロールのビジョンの大きな部分を占めている。4度のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルは、2021年にフェラーリからアストンマーティンに移籍し、同ブランドのグローバルアンバサダーを務める予定となっている。