メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、予選Q2の赤旗中断後の切迫した場面でルイス・ハミルトンがぎりぎりまでガレージにいたのは、F1パワーユニットに再起動するという機能がないためだったと語った。予選Q2でセバスチャン・ベッテルがクラッシュ。セッションは残り2分で赤旗中断となった。ルイス・ハミルトンは、1回目のアタックのベストラップをトラックリミット超過で抹消されており、チェッカーが下りるまでにタイムを設定するために早くに出ていかなければならなかった。
しかし、その必要性にも関わらず、ルイス・ハミルトンは、ピットレーンの信号待ちの行列の先頭に並ぶことはなく、ぎりぎりまでピットボックスで待機していた。それでもハミルトンはなんとかチェッカーが振られるまでにコントロールラインを通過して4番手タイムを記録し、Q3進出を果たし、最終的にポールポジションを獲得している。それは決して余裕があったからではない。ホンダ、ルノー、フェラーリには、エンジンを切ってもMGU-Kを使った再始動する機能が備わっている。しかし、メルセデスのF1エンジンはそれができず、ピットレーンに並んでエンジンがオーバーヒートするリスクがあった。「我々は送り出すことができなかった。エンジンを切ってMGU-Kで再始動する必要があるが、我々にはそれができない」とトト・ヴォルフは RaceFans.net に語った。実際、早くに信号待ちの行列に並んだメルセデスのF1エンジンを搭載するレーシング・ポイントのランス・ストロールは、エンジンのオーバーヒートによってガレージに戻ることを余儀なくされ、再アタックすることができず13番手で予選を終えている。