メルセデスのF1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは、2021年の2つのF1シートを誰が埋めるかを決定するためには多くの要素があると説明する。現役F1チャンピオンチームであるメルセデスF1は、F1グリッドで最も魅力的な2つのシートを所有しており、現時点ではそのどちらも2021年には空席となる。
1つはルイス・ハミルトンが新たな契約を結ぶ可能性が高い。ハミルトンは6回のF1ワールドチャンピオンのうち5回をメルセデスとともに過去6年間で勝ち取っており、すでに詳細についてトト・ヴォルフと話し合いが行われている。バルテリ・ボッタスは2017年にメルセデスに移籍して以来、堅実な仕事をしてきた。メルセデスがコンストラクターズ選手権6連覇を達成するうえでボッタスは重要な役割を果たしている。メルセデスは2021年も同じラインナップを維持することもできるが、状況に変化をつけたい場合は選択肢がある。市場には2020年末にフェラーリF1を離脱する4回のF1ワールドチャンピオンであるセバスチャン・ベッテルという大きな経験と成功を収めたドライバーがいる。また、ウィリアムズで印象的なパフォーマンスを見せているジュニアドライバーのジョージ・ラッセルという選択肢もある。では、トト・ヴォルフはどのようにして判断を下すのだろうか?「物事にはデータという側面がある」とトト・ヴォルフは説明する。「レースリザルトを見て、チームメイトとの比較し、それらのチームメイトが他の人とどのように比較されているかを確認する。それから非常に重要な人格面がある」「ドライバーはチーム構造にどのようにフィットするだろうか? 彼のチームメイトになる可能性のあるドライバーとのダイナミックはどうか? 将来の計画は?」「これらすべての要因が複合して検討される。我々はフォーラムでそれを話し合っている。誰もが意見を述べているができ、ほとんどの場合、そのグループの誰もがいずれにしろ同じ意見を持っている」F1シーズンは休止期間であるが、トト・ヴォルフはチームのF1ドライバーとのコミュニケーションを様々なレベルで行っていると語る。「ほぼドライバーに任せている。急を要することが何もないときはコミュニケーションの管理は彼らに任せている。バルテリと話していないが、個人的には彼は良い場所にいると思っているし、それには満足している」「ルイスはかなり連絡を取り合っており、Whatsappで頻繁に定期的に話し合って、お互いを最新の状態に保っている」セバスチャン・ベッテルのニュースの直後に2021年のドライバー選択について「この状況を考慮に入れなければならない」と語っていたトト・ヴォルフは、その発言にはある程度の意味があることを認めた。「もちろん、ドイツのマシンにドイツ人ドライバーが乗ることはマーケティング的に良いストーリーだ。しかしながら、メルセデスで我々は純粋に成功に焦点を合わせている」とトト・ヴォルフは ORFに語った。「だが、もちろんセバスチャンは本当に優れたドライバーだ」だが、トト・ヴォルフは、純粋にすべての可能性を検討しているだけであることを明確にし、バルテリ・ボッタスまたはルイス・ハミルトンがチームを離れることになったとしても、セバスチャン・ベッテルが第1候補ではないかもしれないと述べた。「それからもちろん、ジュニアの問題がある。レッドブルは(マックス)フェルスタッペン、フェラーリは(シャルル)ルクレール、マクラーレンは(ランド)ノリス、ルノーは(エステバン)オコンとあらゆるチームが、将来、新世代のスターに所属する可能性のあるジュニアに契約している」「だからこそ、我々はジョージ・ラッセルと一緒に何をしていくかを自問している。もちろん、ベッテルのオプションも検討中だ。しかし、我々はまずは現在のドライバーに集中したいので、それは現時点では第一の議題ではない」トト・ヴォルフは、メルセデスがどのような道を選ぶとしても、フェラーリと同じようにシーズン前に現在のドライバーの放出を発表するようなことはしないと述べた。「我々が自分たちをその立場におかないことは確かだ。来年ライバルチームにいるドライバーと1年走るのは管理が少し難しくなる。来年、ドライバーがライバルチームでそれを使うことができるとわかっているとき、イノベーションと学習はどうする?」「だからこそ、急いで発表して困難な状況に陥っているチームに我々は入りたいとは思わない」いずれにせよ、トト・ヴォルフは、セバスチャン・ベッテルが望めばグリッド上に居場所を見つけることができると信じている。「すべての糸を引いているのはセバスチャンだ。彼は自分で辞めるか、別のチームに参加するかを自分で決めることができる。まだ興味深い場所がいくつかある」
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