メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、アストンマーティンに約3700万ポンド相当の株式を購入したことが明らかになった。だが、トト・ヴォルフの広報担当はメルセデスの役割に全力に取り組んでいると語っている。カナダの億万長者でレーシング・ポイントF1チームのオーナーであるローレンス・ストロールは、今年初めに投資家のコンソーシアムをまとめて財政難に陥ったアストンマーティンを救済した。
ローレンス・ストロールは、アストンマーティンのエグゼクティブチェアマンに就任し、2021年からレーシング・ポイントF1チームがアストンマーティンF1チームとしてワークス参戦することを発表している。ローレンス・ストロールとトト・ヴォルフは友人であり、レーシング・ポイントF1チームは、メルセデスのカスタマーチームとして緊密な同盟を結んでいる。また、トト・ヴォルフは、ダイムラーの会長であるオラ・ケレニウスとの関係に修復不可能な亀裂が生じているとされ、アストンマーティンのCEOに就任するとの噂があった。トト・ヴォルフの広報担当は「現在保留中の新株予約権無償割当によって、今回の投資は同社の0.95%の株式に相当する事になります。これはあくまでも金銭的な投資であり、トトとのパートナーシップや彼のメルセデスにおける役員としての役割がこの取引の影響を受ける事はありません」と Daily Mail に語った。メルセデスでのトト・ヴォルフの役割を考えると、このような投資は珍しい。アストンマーティンはF1のライバルであるレッドブル・レーシングの主要スポンサーだが、メルセデスの親会社であるダイムラーはアストンマーティンの長期株主であるため利害の衝突はない。ダイムラーは2013年に次世代の自動車に高性能エンジンと電子部品を供給することと引き換えに5%の株式(投票権なし)を受け取る契約を結んだ。ダイムラーは現在アストンマーティンの最大のサプライヤーであり、先週のアストンマーティンの最新の目論見書で確認されているように将来の投資パートナーに対する拒否権を持っている。現在、トト・ヴォルフは、メルセデスと契約延長について話し合っており、少なくとも契約期間である2020年末まではメルセデスF1チームにおける役割に変化はないと語っている。「今年でメルセデスとは8年目だ。私はこのスポーツとこのチームを愛している」とトト・ヴォルフは語る。「だが、冬の間に行われた変化や個々の人々の行動にはいくらか驚かされた。私が2020年以降に何をするかを決める上でこのことが関係してくるのは確かだ」「だが、私がメルセデスのモータースポーツ責任者であり、F1チームを担当していることに関しては、短期的には何も変わらない」
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