元メルセデスF1チームのCEOを務めたニック・フライは、現在ルイス・ハミルトンが座っているシートは、当初はニック・ハイドフェルドが最有力候補として進められていたと明かした。メルセデスF1チームは、2013年にミハエル・シューマッハの後任としてルイス・ハミルトンを起用。その後、ハミルトンはチームとともに4回のワールドチャンピオンを獲得し、今年も5回目の獲得にむけて順調にシーズンを進めている。
しかし、ニック・フライによると、チームのマネジメント人は2012年のニック・ハイドフェルドを起用することで交渉していたことを明かした。183戦の経験を持つハイドフェルドは前シーズン途中にルノーのシートを失っていた。ハイドフェルドは、ドイツ出身だ。ニック・フライによると、2011年シーズン途中にルイス・ハミルトンの当時のマネージャーであるサイモン・フライとの話し合いが始まり、翌年の夏に本格的に交渉がスタートしたという。だが、ニック・フライによると、当初メルセデスの上層部はルイス・ハミルトンをマシンに乗せるというアイデアに乗り気ではなかったと語る。「当初、我々はルイスを起用することに関して取締役会を納得させることができなかった」とニック・フライは自身の著書 Survive. Drive. Win. で述べた。「我々は他のアイデアに何度も立ち返った。様々な理由で我々は再びニック・ハイドフェルドのような人材に目を向けるように伝えられた。彼はシート獲得に非常に熱心であり、私の携帯に彼や家族、犬の写真を繰り返し送ってきていた」ニック・フライによると、他の候補者にはポール・ディ・レスタ、ジャック・ヴィルヌーブが挙がっていたという。だが、2012年にニキ・ラウダが非常勤取締役に就任したことが、ルイス・ハミルトン加入のきっかになったとニック・フライは語る。9月のチームとの初日にニキ・ラウダは「ハミルトンで以降。後からメルセデスに許しをもらってくる」と伝えたという。ルイス・ハミルトンの移籍は9月28日に発表されている。また、ルイス・ハミルトンのメルセデス加入には、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも一役買っていた。当時、セバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーを擁してタイトルを連覇していたレッドブルに空席はなく、ライバルであるマクラーレンにいるよりも、当初は弱かったメルセデスに加入させることを最善だと考え、ニキ・ラウダにルイス・ハミルトンをマクラーレンから引き抜くよう強く勧めていたことを明かしている。「ルイスはマクラーレンに不満を持っていた。我々には空席がなかった。その後、私は彼がメルセデスに行った方がいいと考え、ラウダにルイスを強く勧めた」とヘルムート・マルコは Motorsport-Total.com にコメント。「当時、マクラーレンは我々の最強の敵だった。振り返ってみれば、マクラーレンに留まっていた方がはるかに良かっただろう。今はその戦術がいかに間違っていたかを痛感している」
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