メルセデスAMG F1チームは、F1ドイツGPで採用する特別カラーリングをチラ見せ。かつてのドイツのナショナルカラーである白色に塗られた“ホワイト・アロー”を走らせるようだ。メルセデスAMG F1チームは、今週末のF1ドイツGPでモータースポーツ125周年、そして、メルセデスにとって200戦目のグランプリスタートを記念した特別なカラーリングを施したW10で参戦する。
1894年7月22日、世界初のモータースポーツイベントであるパリ-ルーアン・トライアルが開催され、ダイムラーが設計した3.5馬力のエンジンを搭載したプジョーが優勝している。メルセデスのF1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは「1894年には、世界初のカーレースがパリからルーアンまで開催され、優勝したマシンにはゴットリープ・ダイムラーの設計によるエンジンが搭載されていた」とコメント。「それは今日に至るまで続く素晴らしいモータースポーツの伝統の始まりであり、我々はこの遺産の次の章を書くことを非常に誇りに思っている。「我々は遺産に敬意を表すために記念のカラーリングを走らせる」メルセデスとシルバー・アローシルバー・アローの誕生は、現代のF1グランプリが始まる前の1934年まで遡る。その年、最大重量750キログラムというグランプリカーの新しい車両規定がスタートした。メルセデスは、6月の国際アイフェル・レースにアルミボディを採用した“W25”を送り込む。当時のグランプリでは、各チームがマシンにそれぞれの国のナショナルカラーを施しており、メルセデスW25はドイツのナショナルカラーである白色に塗られていた。しかし、レース前日の車検で純白のW25の重量は、規定の750キログラムをちょうど1キログラムオーバーしていた。当時メルセデスチームの監督を務めていたアルフレート・ノイバウアは、ファクトリードライバーであるフォン・ブラウヒッチュの「これではみんなが顔に泥を塗られてしまいますよ」の“塗る”という一言にひらめき、急遽メカニックたちにボディのすべての塗装を剥がし取ることを指示。作業は夜を徹して続けられた。翌朝、純白のボディカラーを脱ぎ捨て、アルミの地肌そのままで再び計量にやってきたW25は、規定重量ちょうどで計量をパス。そして、フォン・ブラウヒッチュがドライブするシルバーに輝く“銀の矢(シルバー・アロー)”は、ニュルブルクリンクのコースレコードまで更新して完全勝利を収めた。それ以降、メルセデスのレーシングカーはシルバーがトレードマークとなり、シルバー・アローの愛称で呼ばれるようになる。モータースポーツにおけるドイツのナショナルカラーも、白色からシルバーへと変更になった。関連:2019年 F1ドイツGP テレビ放送時間&タイムスケジュール
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