メルセデスのF1チーム代表トト・ヴォルフは、英国のEU離脱(ブレグジット)はフェラーリに優位性を与えることになると考えている。英国は3月末にEU(欧州連合)を離脱することになるが、英国政府はまだそれまでに取引を整理しようと取り組んでいる。付随的な影響としてメルセデスなど英国に拠点を置くF1チームは、業務に影響を及ぼす大きな混乱に直面する可能性がある。
英国に拠点を置くメルセデスF1チームは、ブレグジット可能性がイタリアに拠点を置くフェラーリに優位に働くことは“悪魔のシナリオ”だと表現した。「ブレグジットは我々にとって最大の関心事だし、英国に住んで英国外で活動する我々全員にとって大きな関心事であるはずだ」「我々は少なくとも年間21戦のレースとテストを転戦するF1チームだ」「我々は英国に出入りしている。我々が部品やサービスを手に入れようとしている方法は、英国に土壇場でぎりぎりで間に合っている。国境や税金は英国のF1業界を大きな損害を与えるだろう」「我々はメルセデス・ベンツUKとさまざまなシナリオを検討している。F1に影響を与えるだけでなく、国内外への自動車や部品の搬入に関してマザーブランドにも影響を与えるからだ」とトト・ヴォルフはコメント。「しかし、議論がなされているようにブレグジットが実現すれば、レースに向かい、クルマを開発して準備を整えることに大きな影響を与えるだろう。想像さえしたくない悪夢のシナリオだ」トト・ヴォルフは、ヨーロッパを拠点とするフェラーリ、アルファロメオ・レーシング、トロロッソに大きな利益をもたらす可能性があるが、トロロッソはホンダが供給元であるため、以前として国境問題に対処する必要があると考えている。「我々のチームは国際的なチームだ。様々な国籍の従業員が英国でF1事業を展開しているドイツの自動車ブランドだ」「現時点で業界がブレグジットに影響を受けるかどうか、もしくは英国の優れた産業のひとつに影響を与えるかどうかは不確実だ。以前から我々はそう言ってきた。物凄い混乱を生むだろう」