メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、ワークスチームとカスタマーチームに供給するエンジンに差異はないと主張。同一仕様のエンジン供給を求めるFIAのルールはメルセデスを対象としたものではないと述べた。今年初め、FIAはエンジンメーカーに対し、カスタマーチームは、ワークスエンジンと同じソフトウェアとパワーユニットモードに制限なくアクセスできる必要があるとの技術指令書を発行。
またカスタマーチームは、特定のサプライヤーと商業契約を結んでいない限り、ワークスチームと同じ燃料・潤滑油を受け取らなければならないとした。多くの人々は、この技術指令書がメルセデスを対象にしたものだと考えたが、トト・ヴォルフは、ウィリアムズとフォース・インディアのどちらもカスタマーエンジンの同一性についてFIAに苦情を伝えてはないと語った。「我々のカスタマーチームがそれを求めたとは思わない」とトト・ヴォルフはコメント。「パワーユニットという観点から、同じハードウエアとソフトウェアをカスタマーに供給しなければならないというルールはしばらく確立されていたことであり、我々にとっては関係のないことだ」メルセデスには、例えば予選でパワーアドバンテージを得るために特定のエンジンモードのロックを解除する機能があるとされている。しかし、トト・ヴォルフは操作方法はすべて同じだと主張した。「カスタマーと我々のモードは同じだ。違いはまったくない。彼らはワークスチームと同じマイレージ配分があり、まったく違いはない。そこに疑惑があっても、我々に何らかの影響を与えることはないのは確かだ」トト・ヴォルフは、ワークスチームとカスタマーチームとでは燃料仕様も同じだと述べた。「6台のクルマでモードとエンジンカリブレーションを共有することは、カスタマーとワークスチームとの間で異なるエンジン仕様を走らせるよりも我々の学習曲線を鋭くしていると確信している」「我々全員が同じ燃料を使用している。なぜなら我々は1つの仕様の燃料でエンジンを測定しているからだ」