メルセデスが今年チャンピオンを獲得するには、残り14戦でセバスチャン・ベッテルに“少なくとも1回”はリタイアしてもらわなければならないとニキ・ラウダは考えている。フェラーリは、F1モナコGPでセバスチャン・ベッテルが優勝して1-2フィニッシュを決めたが、メルセデスは2人とも表彰台に上がれなかった。
ルイス・ハミルトンは、ラインキング首位のセバスチャン・ベッテルにちょうど1勝分のポイント数となる25ポイント差をつけられており、コンストラクターズ選手権でもフェラーリとの差は17ポイントに広がった。レース後、メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、3年間他を圧倒してきたチームが今では敗者になったとコメントしている。 メルセデスがモナコで苦戦した主な原因は、ピレリのウルトラソフトを使いこなせなかったことにあるが、このコンパウンドは次戦のカナダGPでも使用される。ニキ・ラウダは、メルセデスがフェラーリに置いていかれようとしていると危機感を抱いている。「タイヤウィンドウについての解決策を見つけねばならない」とニキ・ラウダは Kronen Zeitung にコメント。「そして、1つはっきりしていることがある。ベッテルに少なくとも1回はリタイアしてもらわなければならない。そうならなければ終わりだ。フェラーリには勢いがある。このままではギャップは巨大なものになってしまう・・・危機的だ」ルイス・ハミルトンも、タイヤ問題に困惑していることを認めており、解決策が見つからなかった場合にはタイトル争いでベッテルにさらに差をつけられてしまうと懸念している。一方、セバスチャン・ベッテルは、ターボチャージャーが4基目に達しており、そう遠くないレースでグリッドペナルティを受けることは必至とみられている。