メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、レッドブルにエンジンを供給することがメルセデスにとって“魅力的なオプション”になる可能性があることを認めた。レッドブルとルノーとの決別が目前に迫っていると伝えられているが、以前、メルセデスは現在の4チームにエンジンを供給するのが目いっぱいであり、これ以上供給チームを増やすことはできないと語っていた。
だが、ルノーは、メルセデスからエンジン供給を受けているロータスを買い戻して自らのワークスチームを復活させることになるという見方が強まっており、そうなればメルセデスエンジンの供給チームがひとつ減ることになる。トト・ヴォルフは、そうなった場合には直接的なライバルであるレッドブルにエンジンを供給することもやぶさかではないという考えている。しかし、それにはクリアすべきハードルもある。そのひとつは、現在ルノーとレッドブルの間で結ばれている2016年シーズンまでの供給契約だ。トト・ヴォルフも「現在の契約があるし、我々としても関係者の法的事項に首を突っ込みたいとは思っていない」と La Gazzetta dello Sport にコメント。「だが、メルセデス・モータースポーツの人間として、さらに、F1の利益ということを考えて話をするとすれば、それは魅力的な選択肢だと言うべきだろう。それによって若者にアピールする力を持ったブランドが結びつくわけだし、そのうちのひとつは勝者だから」「もちろん、チームの責任者という立場から言えば、勝てるクルマを造る方法を熟知しているライバルの強化につながるようなことをするのは理想的とは言えないがね」