マクラーレンは、2025年F1アブダビGPを前に「チームオーダーは基本的に使用しない」と強調しつつも、必要な状況になればオスカー・ピアストリがランド・ノリスのタイトル獲得を支援する可能性を認めている。両者は依然としてタイトル争いの射程圏内におり、チームは最終戦を前に“公平性”と“柔軟性”の両立を図る姿勢を示した。カタールGP後、マクラーレンは最終戦に向けて両ドライバーに自由に戦わせる方針を改めて確認。
しかし、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が依然として脅威である状況を踏まえ、特定のシナリオでは“片方のドライバーがもう一方を支援する”判断も排除していない。ピアストリに逆転タイトルの可能性が消えた場合は援護役に回る構図もマクラーレンは、レース中にピアストリのタイトル可能性が現実的に消えたと判断された場合、彼がノリスのために順位を譲るケースもあり得るとしている。例えば、ノリスが3位でフィニッシュすればタイトル獲得が決まる状況で、ピアストリとノリスが3位と4位を走行しているような場合、ピアストリにポジション移動を指示する可能性がある。さらには、ピアストリがフェルスタッペンの背後で2位、ノリスが4位という状況下では、チームがタイトル最優先で“2位の座を明け渡す”よう求めるケースも考えうるという。両ドライバーに事前共有される「全シナリオ」チーム代表アンドレア・ステラは、アブダビGP前にノリスとピアストリの双方に対し、どのような状況で支援が求められるのかを事前に明確化すると語った。突然の判断でドライバーを驚かせるのではなく、透明性と誠実さをもって決勝に臨むためだ。ステラはカタールGP後に次のように述べている。「どちらかのドライバーにタイトルを追う状況が続く限り、もう一方を排除するようなコールはしない。状況がどう展開するかを見ていくことになる」「我々はドライバーに対して誠実でありたいし、彼らを驚かせるようなことはしたくない。だからこそ、アブダビまでの間にランドとオスカーと話し合い、どのようにレースへ臨むかを確認するつもりだ」マクラーレンは最終戦を前に、平等な戦いを尊重しつつ、タイトルという最大目標を逃さないための“柔軟なチーム戦略”をすでに準備している。ノリスとピアストリ、若き両エースによる最終決戦は、戦略的にも大きな注目を集めることになりそうだ。