マクラーレンは、計画されたアップデートを含め、F1ドライバーとのやり取りにおいて完全な透明性を維持しており、ドライバーがマシン開発についてメディア経由で知ることがないようにしていると強調した。ウォーキングを拠点とするチームは、初のF1タイトルを争うランド・ノリスとオスカー・ピアストリの間で調和を保つという難題に直面している。これまでマクラーレンは彼らのライバル関係を抑制しており、カナダGPでの接触もノリスが即座に全面的な責任を認め謝罪することで早期に収束させた。
マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、チームがドライバー間の公平性を保つ方法のひとつは、特に部品が両方のマシン分揃わない場合に、アップグレードの決定理由を明確に伝えることだと説明した。「すべては透明性、公平性、平等性に尽きる」とブラウンは『How Leaders Lead with David Novak』で語った。「我々がマシンにアップグレードを施す際、レースに1人分しか準備できない場合には、なぜそうなるのかを説明する。『あいつには新しいフロントウイングがあるのに、自分にはない』と記事で知ることはさせない。理由を伝える。我々は記録を取っていて、『次回の新開発は君に行く』と約束する。あるいは一方のドライバーが利益を得て、もう一方が得られない場合には記録を残す」ノリスは直近4戦で3勝を挙げているサマーブレイク時点でピアストリが選手権を9ポイントリードしており、直近4戦で3勝を挙げたノリスが大きく差を縮めている。ブラウンは、残り10戦で2025年王者が決まるシーズン後半に向け、2人のマネジメントがさらに難しくなると認識しているが、率直なコミュニケーションが事態の悪化を防ぐと信じている。「彼らはいいやつらだ。我々は本当に幸運だ。我々にはベストなドライバーラインナップがあると断言できる。彼らは世界最速のドライバーであるだけでなく、本当にいいやつらだ。非常に競争心が強く、とても礼儀正しい」「彼らはしっかり育てられてきた。だから両親に敬意を表したい。多くのことは結局のところ親に行き着く。我々は彼らを近くに置き、楽しませ、問題があれば解決するようにしている」「過去にはドライバー同士が激突するのを見てきたが、少し緊張が漂う時はすぐに察知できる。我々の場合、そういうことは起きていない。これから難しくなるだろう、なぜなら我々の2人がタイトルを争う展開になるようだからだ。そして他のドライバーたちもまだ近くにいる。だから2人だけの争いになるとは限らない」「しかしすべてが彼らに有利に進めば、そうなるかもしれない。通常はそういう状況は悲劇に終わるものだが、我々は違う。我々はそれを恐れないし、話し合う。それは“部屋の中の象”ではない」