マクラーレンは、2024年のF1モナコGPのためにアイルトン・セナにインスパイアされた大胆なカラーリングを採用したが、決して中途半端なことをしたわけではない。マクラーレンは、サイドポッドのペイントやフロントウイングの見た目を変えるという形ではなく、マシン全体をアイルトン・セナのヘルメットを象徴するイエロー、グリーン、ブルーのカラーリングに置き換えることを選択した。
しかし、マクラーレンのカラーリングで目を引く興味深い要素のひとつは、通常のパパイヤカラーがすべて取り除かれていないという事実だ。特にフロントホイールのフェアリングに施されたフラッシュはそのまま残されている。他の部分との調和を図るためには、この部分をイエローに変更するはずだが、そうしなかったのには明確な理由がある。それはドライバーだ。マクラーレンのマーケティング部門は、モナコでのカラー変更についてレースチームと綿密に協議し、パパイヤフラッシュはランド・ノリスとオスカー・ピアストリにとって重要な視覚的目印であるため、ホイールフェアリングに残す必要があることを明確にした。精度が極めて重要なモナコのストリートサーキットでは、フェアリングの色を変えることで、視覚的に顕著な影響を与える可能性があった。また、ドライバーのオーバーオールとチームキットがモナコ用に変更される一方で、タイヤ交換をするピットクルーには通常のカラーのウェアが継続されるのも同じ理由だ。マクラーレンのチーフ・マーケティング・オフィサーであるルイーズ・マキューアンは「マシンをよく見ると、フロントホイールカバーは意図的にパパイヤのままになっているのがわかるだろう」と説明する。「これほど大規模なカラーリング変更、つまりマシンのフルラッピングを行う場合、当然ながらパフォーマンスに妥協は許されない」「昨年1年間、レース全体、特にエアロチーム、そしてトラックサイド・オペレーションと協力して、パフォーマンスを損なわないように努力してきた。だから、これらの要素は変わっていない。ドライバーにとって重要な合図なんだ」「コース上でのチームの姿を見ると、カラーリングの入れ替えはチームキットにも及んでおり、パドックでも全員が着用しているのを見ることができる」。「しかし、その点で意図的にピットクルー全員を入れ替えてはいない。ドライバーたちは視覚的な合図に集中するように訓練されているし、ピットストップをミスしてほしくないからだ」
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