パト・オワードの主な任務はアロー・マクラーレンのインディカーチームでドライバーを務めることだが、彼はここ数年、マクラーレンのF1運営に着実に慣れ親しんでいる。ザク・ブラウンとの“2021年にインディカーで初優勝する”という賭けに勝ってF1初走行を実現したオワードは、それ以来何度もテスト走行やFP1に参戦し、パワフルなマシンを操るスキルがあることを示してきた。
より進化したマシンをドライブするあらゆる機会を楽しんできオワードだが、最近の周回を重ねるうちに、F1のテスト走行で異なるマシンに適応するためにどれだけ自分をプッシュしていたかを実感した。ポストシーズンテストでマクラーレンMCL60での走行を終えた24歳のオワードは、2024年シーズンに向けてマクラーレンのリザーブドライバーの役割を得るために、いかに自分のコンフォートゾーンの外で働かなければならなかったかを語った。「これは競争の激しいスポーツだ」とオワードを語った。「僕の経験から言うと、チャンピオンになりたければ、居心地が悪くなければならない。成長するには、こうした不快な立場に身を置く必要がある」「僕にとって、数年前のF1はとても居心地の悪いものだった。とても新しくて、とても違っていて、たくさんの目がある。慣れるには時間がかかる」「スイッチを入れれば、もう大丈夫というようなものではないんだ。細かい作業が必要だし、時には本当にイライラすることもある」「これまでのキャリアにおいて、長い道のりを歩んできたけど、ここまで到達するためには、本当に懸命に働かなければなりらなかった。僕にとってこれは受け入れるのに良い挑戦だ。それが結果的に実現したら、素晴らしいことだね! 僕はここにいるのに十分な力があるとわかっている。もしそうならなかったとしても、他のどこへ行っても自分をより良くするだけだ」オワードは何度もF1で走行している間にペースが明らかに向上しており、今ではマシンを操ることができるようになった感じていると語る。先日のテストでは、慣れ親しんだマシンでトラックを走った多くの現役F1ドライバーを抑えて2番手のタイムを記録した。彼は今、もっと貴重なトラックタイムを与えられることを期待しているような状態であり、インディカーでチームにインディ500優勝をもたらして、グローバルシリーズに参戦するという高い野望さえ抱いている。「FP1やテストを重ねるたびに、マシンに乗っている時間は増えていく。つまり、誰かが最終的に自分と自分の準備を信じてくれて、その扉が開かれたときに備える機会を与えてくれているということなんだ」「僕にとって、それがすべてだ。マクラーレンにインディ500の勝利を捧げたいので、インディカーでやるべきことに完全に集中している。僕は彼らにそれを与える人になりたい。彼らと4年間一緒にいて、来年で5年目を迎えるからね。チャンピオンシップもかなり近づいてきた。それをチームと自分自身に与えたい」「その後、F1に挑戦し、優勝争いに加われば、シンデレラ・ストーリーとなるだろう。ただ楽しむためにここに来たんじゃない。僕たちは勝つためにここにいる。F1が提供するものを楽しむためにここにいるのではない」。オワードは、3月10日に開催されるセント・ピーターズバーグGPでシリーズ初のハイブリッド・パワートレインでのレースを控えており、このオフシーズンは焦点の多くをインディカーに戻す予定だ。