マクラーレンF1のテクニカルディレクターを務めるジョームス・キーは、2021年F1マシンは安定したレギュレーションの下で開発も許可されているに関わらず“ほぼ新車に近い”と語る。新型コロナウイルスのパンデミックを受け、当初予定されていた新レギュレーションの導入は2022年に延期されて、2021年は現在のマシンのデザインが大幅に引き継がれることなる。
FIA(国際自動車連盟)は、トークン開発システムを導入して、新しいシーズンに先立って現在のマシンでチームが行える作業量を制限しているが、マクラーレンはルノーからメルセデスにF1パワーユニットを変更するというユニークな立場にある。これにより、新しいシャシー、冷却、ギアボックスを導入する必要があり、トークンの大部分をその対応に費やすことになるため、空力の変更が制限されるが、ジェームズ・キーは2021年F1マシン『MCL35M』が“ほぼ完全な新車に近い”ものになると語る。「我々独自の来年に向けた大きな変化は、新しいパワーユニットだ。我々は2020年からシャシーを引き継ぐことはできない」とジェームス・キーは説明する。「特に冷却や電子機器など、マシンの様々ンなシステムに関しては、多くの再設計を行う必要があった。シャシーが異なるだけでなく、ギアボックス、そして、もちろんエンジンも異なるため、MCL35Mは我々にとって新車に近い」マクラーレンは、メルセデスのF1パワーユニットを搭載することですぐに前進することを望んでいるが、ライバルに遅れをとらないために今シーズン中から他の場所に集中した多くのアップデートを導入してきた。「メルセデスのF1エンジンのインストールに2021年の開発トークンを費やさなければならなかったことが、今シーズンの開発に関する我々のアプローチを変えた」とジェームス・キーは語る。「しかし、結果として、2020年には通常は得られないパフォーマンスが少し追加された可能性があり、収集した様々な情報に基づけば、それらの領域にはさらに発展させられる余地がある」ジェームス・キーは、2021年のF1世界選手権はMCL35Mの開発を進めつつも、完全に新しいレギュレーションに合致した2022年マシンの開発も再開することになるので忙しい1年になると予想する。「2021年は、MCL35Mを開発し、レースをするためのフルシーズンがあり、22年マシンが進化するにつれて新たな発見があるため、忙しい年になるだろう。それを始めるのが待ちきれない!」
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