マクラーレンは、来年ワールドタイトルを奪還するために2010年マシンであるMP4-25のデザインによりアグレッシグなアプローチを採る。マクラーレンは2009年のプレシーズンテストではテールエンダーだったが、シーズン中に見事なアプローチをみせ、MP4-24を優勝できるマシンまで改善させた。マクラーレンは、MP4-24から得たものがMP4-25のデザインに生かされると語る。
「どれくらい競争力があるかについて自信を持って言うにはまだ早すぎるが、今年のマシンには確実に過去よりもアグレッシブなアプローチをとったと言える」とマクラーレンのエンジニアリング・ディレクターを務めるパディ・ロウは語る。「MP4-24に行った大量の開発から得た知識は、MP4-25に大いに役に立つ」「我々は非常に良い前進を遂げていると感じているが、同時に非常に能力のあるチームがいることもわかっている。レッドブル・レーシングとフェラーリがあまり強いパッケージでなかったら私は驚くだろうし、メルセデスGPもまたかなり速いマシンを作ってくると考えている。このビジネスでは誰もわからない」またパディ・ロウは、MP4-25の設計がジェンソン・バトンの加入前にほぼ固まっていたという事実が、ルイス・ハミルトンに有利な要因にはならないと考えている。MP4-25のデザインがハミルトン向きかを尋ねられたロウは「まったくそうではない。実際は反対だ」と語る。「レーシングカーの設計は可能な限り中立に行われる傾向にある。ドライバーのためにクルマが特別にデザインされる唯一のものは人間工学的なものだ。それがジェンソンにとって問題にはならないと確信している」「ドライバーが、すぐに最も適したスタイルを作れるように可能な限り幅広いパフォーマンスの土台を提供するようにしている。ドライバーのアプローチが異なっても、しばしば似たようなラップタイムに達することにも驚くだろう。だから、その点で我々のドライバーが良い組み合わせになると確信している」「加えて、たいていは競争本能が優勢になる。F1マシンを速くするとき、必ず両方のドライバーのために働く。我々はパフォーマンスのためだけに働く。個人のためではない」マクラーレンのマネージングディレクターであるジョナサン・ニールも、バトンのスムーズなドライビングスタイルはマクラーレンで問題になることはないと語る。「ルイスとジェンソンが二人ともかなり中立的なドライビングスタイルであることは幸運だ。ペドロもそうだ。それが来年問題になることはないだろう」「燃料搭載量やフューエルエフェクトの変数をなくしても、人々はタイヤのデグラデーションがレース中に最もパフォーマンスを限定する重要な要因になるとしているが、我々はそうなるとは思っていない」「タイヤに優しいドライバーとそうでないドライバーの前例をみても、タイヤを酷使するドライバーがレースで後方に下がることは珍しいことだ。私は、ドライバーのスピードは、変数の幅広さからくると思っている。それはドライバーというより、むしろデグラデーション問題を作り出すクルマの特性にある」ジョナサン・ニールは、ハミルトンとバトンが競うことは、むしろチームをより競争的にするだろうと考えている。「彼らが、素晴らしく、競争力のあるパートナーシップになると確信している。現実的に、駆られは異なるスキルを持っている。1月から我々はすぐに彼らの豊富な知識と経験をいくつかの問題に用いることができる。特にプレシーズンテストでね」「いくつかの点では、グランプリでもチャンスは増えるだろう。ジェンソンの技術セットがより適しているトラックもあれば、ルイスが優れているトラックもあるだろう。過去にジェンソンは高速サーキットでかなりの才能を示しているし、それを我々の兵器に組み入れることを楽しみにしている」「このチームで常にしてきたことだが、我々が二人のドライバーに平等なチャンスと平等な機械を提供していれば、彼らが至るところで競争力を示してくれると期待している」関連:・マクラーレン、MP4-25を発表 - 2010年1月29日・マクラーレン MP4-25 (主要諸元)