マクラーレンのエグゼクティブディレクターを務めるザク・ブラウンは、インディカーのジョセフ・ニューガーデンとスコット・ディクソンは、F1でも通用する“優れた才能”の持ち主であると述べた。最近、ハースF1チームのチームプリンシパルを務めるギュンター・シュタイナーは「現状ではF1レベルのアメリカ人ドライバーはいない」と発言してインディカーを始めとするアメリカのモータースポーツ界から猛反発を喰らった。
デイトナ24時間レースの記者会見に出席したザク・ブラウンは、ハースF1チームの見解には同意しておらず、インディカーにも優れた才能はいると語った。「最大の課題はテストが不足していることだ」とザク・ブラウンはコメント。「プレシーズンテストは8日間しかない。さらに1台のクルマしか使えず、ドライバーを交代で走らせなければならない。フェルナンド(アロンソ)の4日間、ストフェル(バンドーン)の4日間を奪うなどナンセンスなことだ」「そのルールが変わるまで、F1アリーナやF2外のドライバーがF1に入ってくるのは難しいだろう。彼らは不利だからね」「そのシステムのせいで他からドライバーを連れてくれることはあまりできない。だから、トロ・ロソがブレンドン・ハートレーのようなドライバーを起用したのは素晴らしいことだと思う。そのような決定にはリスクが伴うからね。だが、彼は全てのトラックを知っている」「インディカードライバーの中にF1マシンで戦える者はいないというギュンター・シュタイナーのコメントには賛成できない。私には何人か乗せたいと思うドライバーがいる」「具体的に言えば、ジョセフ・ニューガーデンは優れた才能の持ち主だと思うし、ニューッジーランド人のスコット・ディクソンも優れた才能を持っていると思う」2017年のインディカーチャンピオンであるジョセフ・ニューガーデンはまだ27歳であり、トロ・ロッソのブレンドン・ハートレーと同い年だが、スコット・ディクソンは37歳とフェルナンド・アロンソよりも年上だ。だが、ザク・ブラウンは年齢的な要因は関係ないと考えており、フェルナンド・アロンソとスコット・ディクソンには多くの共通点があると語る。「ドライバーが年を取り過ぎるという考え方には同意しない。単にドライバーが最終的にモチベーションを失ってしまうことにより、調子を落とすのだと思っている」とザク・ブラウンはコメント。「例えば、ミハエル・シューマッハのようなドライバーは、40代に入っても非常にコンペティティブだった。数年間離れていた期間がなければ、(2010年に復帰した際に)コンマ数秒も遅れることはなかったと思っている。彼はもう40代だった」「フェルナンドもそれと同じタイプの熱心さを持っている。今のフェルナンドはこれまでと何ら変わらないドライビングを見せていると思うし、彼が今年後半に37歳になるからといって、タイムが落ちるはないと思うよ」「逆にニコ・ロズベルグのように何らかの理由によって“ここまで”だと区切りをつける者もいる」「スコット・ディクソンのようなドライバーは、私にフェルナンドを思い起こさせる。彼はフィットネスも抜群で、非常に献身的であり、これまでと変わらない速さを見せている。彼ならF1マシンに乗っても競争力を見せてくれると思う」