マクラーレン・ホンダは、F1日本グランプリの決勝で フェルナンド・アロンソが11位、ストフェル・バンドーンが14位でレースを終えた。日本グランプリは、マクラーレン・ホンダにとってフラストレーションのたまるレースとなった。フェルナンド・アロンソは果敢な走りで11位、ストフェル・バンドーンは14位で完走したものの、ポイント獲得には至らなかった。
今回のレースは、どちらのドライバーにとっても、本当の意味でいい展開になることはなかった。フェルナンド・アロンソは、グリッド降格ペナルティーによって最後尾からスタート。徐々にポジションを上げたものの、オーバーテイクは容易ではなく、終盤にフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)に猛攻をしかけながらも、トップ10入りを僅差で逃した。一方、ストフェル・バンドーンのレースは、2コーナーでキミ・ライコネン(フェラーリ)と接触したことによって、台無しになった。そこでポジションを落とし、それ以降は困難な状況からいかにばん回するのかに焦点を当てた展開となった。彼のエンジニアが2ストップ戦略を採用したものの、結局、ポジションを飛躍的に上げることはできなかった。フェルナンド・アロンソ (11位)「20番手からスタートしたが、使用済みのタイヤを履いてレースを開始し、ピットストップ1回の戦略により、うまくばん回でき、11位で完走した。これは、チーム全員の多大な努力の結果だ。金曜夜のパワーユニットの交換により、ペナルティーを受けたが、今日の走りはもう少しで手が届かなかった1ポイントの獲得に値するものだった。懸命なバトルができたと思う。終盤は、フェリペ・マッサとの差を詰めたが、最後に不運に見舞われた。マッサがタイヤの摩耗にかなり苦しんでいるときに、バーチャルセーフティカーが導入されたが、オーバーテイクの心配がないという意味でマッサに有利に働いたと思う。その後、残り2周となった時点で、レースリーダーたちが我々に追いついたことにより、彼らを前に行かせねばならなかったのだが、それによりマッサは僕から楽にポジションを守ることができ、彼は最終的に10位入賞となった。(次戦が開催される米国)オースティンでもう一度チャレンジする。次回はグリッド降格ペナルティーを受けることなく、通常のグリッドポジションからスタートし、今回よりも幸運に恵まれることを願っている」ストフェル・バンドーン (14位)「ここ2戦はいいレースをしてきたものの、今日のレースは忘れるべき内容だ。スタートはまずまずだったが、2コーナーに差し掛かったときに、どのドライバーも自分のスペースを探しており、その後、キミ・ライコネンにぶつけられた。意図的に衝突したわけではないと思う。単に、場所とタイミングが悪かっただけだ。それ以降は、思うような展開にはならなかった。後方までポジションを落とし、チェッカーフラッグを受けるまで、一人寂しくドライブする形になった。鈴鹿は非常に特別な場所なので、今日グランドスタンドを埋め尽くした大勢のファンの方々のために、いい結果を出せなかったことが残念だ。アジアで行われたここ3戦は、それぞれ難しいレースだったし、チームのメンバーはこのあと少し休憩が必要だ。ここ3戦は、チームがすばらしい仕事をしてくれた。まずはヨーロッパに戻り、今季残り4戦でまたハードな戦いができるようにしたいと思う」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「今日はフェルナンドとストフェルが力強い走りを最後までみせてくれたものの、我々が思うような展開にはならなかった。予選で困難な状況にあったにもかかわらず、フェルナンドは決意に満ちた走りをし、マッサに猛攻をしかけながらも、惜しくもポイントを逃すという不運な結果だった。一方、ストフェルのレースは、2コーナーでライコネンにぶつけられてポジションを落としたことで、いい方向には進まなかった。ただ、そういったアクシデントはレースではときに起こるものであり、それ以降はストフェルも懸命にプッシュした。それでも、このアジアでの3戦は、全体的にはチームにとってポジティブな結果となった。ポイントをいくつか獲得することができたし、この3戦を迎える前よりも今の方が、チームの力強さが確実に増したと思っている。我々はその勢いを活かして、残り4戦に臨むつもりだ。最後に、2つの大事なグループの方々に敬意を表したいと思う。まず、ここ5週間にわたる海外遠征で根気強いスピリットをもって、懸命に仕事をしてくれたチームのメンバーに敬意を表した。全員が多大な努力をしてくれた。彼らの揺るぎない努力と決意には、心から感謝している。次に、例年のことながら、すばらしい鈴鹿のファンの方々にも、敬意を表したい。皆さんのスピリットと熱意には、本当に奮い立たせられる思いだ。今日はそんなファンの方々のために力強い結果を出すことができなかったが、皆さんの声援、そしてマクラーレン・ホンダおよびF1全体に対する情熱に感謝している。今季残り4戦では、新たな勢いと自信を持って懸命にプッシュしていく」長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)「マクラーレン・ホンダとして最後となった日本GPでポイントの獲得に至らなかったことを、非常に悔しく思っています。後方からのスタートとなったフェルナンドは、前を走るライバルを上回るペースの走りを続け、終盤にはポイント獲得まであと一歩というところまで追い上げをみせました。実力的にはポイント獲得が可能だと思っていましたが、最終的に11位ということで、惜しくもポイント圏内には届きませんでした。一方、9番手からスタートしたストフェルですが、2コーナーでの他車との不運な接触により、最後尾まで順位を落としました。幸いにもリタイアしなくてはいけないほどの深刻なダメージはありませんでしたが、それでも傷ついたマシンでの走行となり、その後は後方で我慢のレースを続けることになりました。当然ながら、今回はホンダとして強い思いで臨んだホームグランプリでした。ファンの前でいい姿を見せられなかったことは本当に残念ですが、どんなときでも我々に温かい声援を送ってくれる日本のファンと、週末を通して働き続けたチームメンバーに対しては、非常に感謝しています。今シーズンも残り4戦となりましたが、最後まで全力で戦いを続けていきます」関連:【動画】 F1日本グランプリ 決勝 ダイジェスト