F1ロシアGPは、マクラーレン・ホンダのチーム全員にとって非常に残念な結果となった。フェルナンド・アロンソはレースをスタートすることができず、ストフェル・バンドーンは14位でチェッカーフラッグを受けた。フェルナンド・アロンソは、パレードラップの際にERSソフトウェアの不具合を抱え、そのラップ中にシステムの再起動を試みたものの、ピットまで戻ることができず、コース上にマシンを止める結果となった。
一方のストフェル・バンドーンは集中した走りで、トラブルのない落ち着いた走りを見せ、14位で完走した。マシンの実力を最大限に出し切ったものの、前方のマシンに戦いを挑むまでには至らなかった。フェルナンド・アロンソ「厳しい状況だし、フラストレーションが溜まる。毎週末、同じことの繰り返しだ。フォーメーションラップの際にパワーユニットに通常の出力がなかったので、ステアリングホイール上で設定を変更するようエンジニアに指示された。残念ながら、それでは解決せず、そのラップの最後にエンジンがシャットダウンした。スタートする前に、自分のレースが終わってしまった。今日はレースに出場できず、今季はこれまでに完走すらできていないというのは、非常に厳しい状況だ。それでもF1は僕の人生そのものなので、状況を早急に改善できることを願っている」ストフェル・バンドーン「14位というポジションは、おそらく今日達成し得るベストな結果だったと思う。スタートはまずまずだったが、1コーナーでのアクシデントを回避しなければならなかった。そのため、2コーナーでマーカーの外を走行し、5秒間のタイムペナルティを科せられた。ただ今日の結果に、そのペナルティによる影響があったとは思わない。かなり普通のレースだったし、僕はいま自分たちに出せる精一杯のペースで走行していた。できる限りのことはしたし、14位という結果は、今の僕たちの状況を反映したものだと思う。今日、フェルナンドがスタートできなかったことは、信頼性の面でまだ多くの課題が残っていることを示している。2戦連続で合計2台のマシンがスタートできなかったことになる。残念ではあるが、少なくとも今日は僕が完走した。チームと僕自身にとって、多くのことを学ぶ機会となった。ただ、ペースに関しては、まだ十分な速さがない。それは確実だと思っている」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「このような結果ままで終わるわけにはいかない。14位完走という結果は、マクラーレン・ホンダのF1での目標ではない。このレベルのパフォーマンスが長く続かないように、我々は懸命に仕事をしている。レース週末に信頼性やパフォーマンスの問題に直面するのは、本当に残念だ。今のポジションから脱出するために、チームが一丸となって仕事に取り組む必要がある。今日はパフォーマンスに制約があったことを考えると、ストフェルは非常に落ち着いた効率的なレースをしてくれた。タイヤと燃料をマネージするために指示されたことをすべて確実にこなした。先ほど申し上げた通り、14位というのは注目に値する結果ではないが、今日のレースでマシンが達成し得る結果そのものだった。ストフェルが完走し、有益な距離を走行してくれたことはよかった。フェルナンドについては、私も彼のフラストレーションを感じている。2戦連続で1台のマシンしかスタートできなかったというのは、許されないことであり、この弱点はすぐに解決する必要がある。当然のことながら、アロンソはがっかりしていたが、状況は必ず改善する」長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)「今週も非常に厳しいレースウィークエンドとなりました。それでも、昨日の予選結果により15グリッドダウンのペナルティを受けるという難しい状況のなか、ストフェルがレースを完走してくれたことは、我々にとって前向きになれる結果でした。当然14位と言う結果は満足できるものではありませんが、ここまで各レースでさまざまなトラブルに苦しんできたなかで、彼が開幕戦以来の完走を果たしてくれたことを嬉しく思っています。今日のストフェルは、燃費とタイヤのマネジメントが難しいこのサーキットでコンスタントなペースを維持しながら、いい走りを見せてくれたと思います。フェルナンドについてはフォーメーションラップの間にパワーユニットからのパワー供給を失ったため、スタートを断念せざるを得ませんでした。回生関連の問題を疑っていますが、これからさらに調査をしていく予定です。2台のマシンが一緒にレースを完走できないことは非常に残念に思っていますが、諦めずに前進を続けなくてはいけません。この先の数レースの中でパワーユニットのアップデートを計画していることもあるので、引き続き開発に全力を尽くし、さらなる戦闘力向上と高い信頼性を得るために努力を続けていきます」関連:F1ロシアGP 結果:バルテリ・ボッタスがF1初優勝!