2019年のF1世界選手権では、今年のように3週連続でグランプリ開催されることはなさそうだ。今年はフランスGP、オーストラリアGP、イギリスGPが連続で開催されるF1史上初となる“トリプルヘッダー”がカレンダーに組み込まれ、F1チームは第7戦カナダGPから6週間で5戦を戦い抜いた。
今年のカレンダーがトリプルヘッダーという詰め込んだスケジュールになった背景には、夏休みと冬休みの長さを変えないことに加え、4年に一度開催されるサッカーのワールドカップ決勝日とF1の開催日がバッティングするのを避けるという意味合いもあった。昨年、リバティメディアの会長チェイス・キャリーは「毎年、我々の周りには常に独特なイベントがある。来年はワールドカップ決勝という独特なイベントがある」と述べていた。「スケジュールに3連戦が組み込まれた1つの要因は、ワールドカップ決勝とイベントが重なるのはプロモーターにとって理想的ではないと考えたからだ」先週、3連戦の締めくくりとなったF1イギリスGPが終了。マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは「誰もが疲れ切っている。ずっと全力投球だったからね」と語った。F1チームは日曜日にレースを終えてF1マシンや機材を梱包して次のサーキットに送った後、先発部隊は火曜日にはサーキットに入って準備を開始している。さらにスタッフの疲労だけでなく、オーストラリアGPが開催されたレッドブル・リンクでは、各チームは通常のモーターホームではなく、仮設のモーターホームを使用。フランスGPを終えた通常のモーターホームは、ポール・リカールから直接シルバーストンに向けて輸送されていた。ウィリアムズの副チーム代表を務めるクレア・ウィリアムズは「あれはオーストリアの主催者にとっては残念なことだったと思います」とコメント。「このような決定が下されるときには、必ずしも全てのことが考慮するわけではありません。しかし、これは重要なことだと言えます」「そして、最も重要なのは人間です。彼らは多大な努力を払っています。家に帰れないということは、彼らや家族にとって厳しい状況です」「トリプルヘッダーがカレンダーに入ることは二度とないと考えています。全員にとって難しいスケジュールであったこと学んだと思います」そのため、2019年は当初の予定通り、よりは余裕のあるカレンダーが組まれることになるようだ。フォース・インディアのCOOを務めるオットマー・サフナウアーは「2019年にはトリプルヘッダーはないと聞いている」とシルバーストンで RTL にコメント。「今回が初めての試みであり、1つの場所からさらに2つの場所へと移動するのは少々の疲れを伴った。メカニックやスタッフ人員が、かなり疲労していた」「これほどまでとは予想していなかった。非常に難しいものになると事前に言われたが、『そうだろうな』程度にか考えていなかった。しかし、本当に大変だった」また、今年の3連戦が“大混乱”になったことを教訓として、すでに2019年のカレンダーについての検討や交渉が開始されている。すでに報じられている限りでは、2019年の開幕戦となるオーストラリアGPは今季よりも1週間早く開催されることになるとされている。「来年に向けてはカレンダーを作成する側が考慮し、トリプルヘッダーはなくなると思っている」とオットマー・サフナウアーはコメント。しかし、そこに新たな問題が浮上している。リバティメディアは、今後もアメリカやアジアでF1レースを増やたいとの意向を持っており、すでにマイアミで第2のアメリカGPの開催が決まりかけており、ベトナムでの開催も噂されている。その場合、どこかのグランプリが姿を消すことになるかもしれない。すでにスパ・フランコルシャンは契約を延長しており、現状、来季の開催契約を結んでいないのはドイツGPと日本GPだけとなっており、場合によっては日本GPがカレンダーから外れる危険も残されている。だが、ザク・ブラウンは「来年は3週連続開催はないと私は考えている。22から23にレース増やすという話は少なくとも2~3年先のことだと思っている。恐らく来年は20戦か、あるいは21戦になると思っている」と語っている。
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