リアム・ローソンは、自身のF1キャリアを大きく変えた2023年オランダGPでの出来事を振り返り、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコに直談判したことが、その数時間後に訪れたF1デビューにつながったと明かした。当時レッドブル育成ドライバーだったローソンは、F2でランキング3位となりF1昇格を期待していたものの、チームはニック・デ・フリース、続いてダニエル・リカルドを起用。自身は日本のスーパーフォーミュラ参戦を命じられ、不満を募らせていた。
「なぜ僕にチャンスをくれないのか」 マルコへ直談判2023年のオランダGPを前に、ローソンは自らザントフォールトへ向かい、マルコとの面談を申し出た。F1公式ポッドキャスト『Off the Grid』でローソンは当時をこう振り返っている。「3日間ずっと考え続けて、それからザントフォールトへ飛んだ。ヘルムートと直接話して、彼が何を考えているのか聞き出そうと決めたんだ」「金曜日の朝、彼のオフィスに行って『なぜ僕にチャンスをくれないんですか? これだけ僕に投資してきたのに意味がないじゃないですか。僕はもう5年間プログラムにいるんです』と伝えた」しかし、その反応は期待したものではなかった。「最後には彼もちょっと腹を立てたみたいで、僕の話を打ち切ったんだ」「部屋を出たあと、その場にいたコーチへ電話して『これはかなり厳しいな』と話していた」数時間後に訪れた突然のF1デビューだが、その日の午後、状況は劇的に変化する。フリー走行2回目でダニエル・リカルドがクラッシュし、中手骨を7か所骨折する重傷を負ったことで、アルファタウリは代役を探す必要に迫られた。ローソンによれば、当初から自分が唯一の候補だったわけではなかったという。「『リアムが乗る』とすぐ決まったわけじゃない。経験があって、このクルマを走らせたことがあるドライバーは誰だ、と検討していたんだ」その後、マルコから呼び出しを受けた。「ヘルムートのところへ行くと、彼は僕を見て『準備はできているか?』と聞いた。僕は『はい』と答えた。それが会話のすべてだった」ローソンはそのままF1デビューを果たし、5戦で2ポイントを獲得。2024年は再びリザーブドライバーを務めたものの、シーズン終盤6戦で再び実戦復帰し、その走りが2025年シーズンのシート獲得につながった。「誰かの代役でも迷いはなかった」リカルドの負傷によって得たチャンスに複雑な思いはなかったのかと問われたローソンは、率直な心境を明かした。「まったくなかった。もちろん彼にとってはつらいことだけど、僕たちはみんな同じシートを争っている。そこに個人的な感情はない」「自分のキャリアを懸けて戦っている時は、それがすべてなんだ。それ以上に優先するものはない」ローソンは2025年開幕時にレッドブル・レーシングへ昇格したものの、わずか2戦でレーシングブルズへ復帰。2026年シーズンも同チームで戦い続け、チームが獲得した66ポイントのうち43ポイントを稼ぐ活躍を見せている。
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