日産の革新的な電力駆動レーシングカー「Nissan ZEOD RC」が初めてサーキットで走行した。2014年のル・マン24時間への参戦が決まっているこのマシンをドライブしたのは、SUPER GTで活躍するミハエル・クルム。「Nissan ZEOD RC」は、10月21日に横浜にあるニスモ本社で発表披露を行った後、FIA世界耐久選手権(WEC)日本戦が開催される富士スピードウェイで、デモンストレーション走行をレース期間中3回おこなった。
「Nissan ZEOD RC」は来年、ル・マン24時間レースが行われる全長約14キロのサーキット1周を、電力のみで最高時速300kmで走る。内燃エンジンで走行する間は、ブレーキエネルギーの回生システムを使ってバッテリーの充電を行いながら、24時間レースの完走を目指す。今回の富士でのマシンデビューには、日産自動車の副社長、アンディ・パーマーをはじめとする日産の首脳陣も、現場でその様子を見届けた。「Nissan ZEOD RC」は英国へと送り返され、開発とテストを継続する。「Nissan ZEOD RC」は、来年のル・マン24時間では、革新的な技術を持ったマシンのための特別エントリー枠「ガレージ56」で参戦。日産は、このZEOD RCを、将来的なLMP1(ルマンプロトタイプ1)クラスへの参戦を見据えた技術開発に活用していく。「Nissan ZEOD RCを日本へ運んでニスモ本社で発表を行い、富士スピードウェイでファンのみなさんにその走りを見ていただけたことは、関係者一同にとって素晴らしい経験となりました」と日産グローバルモータースポーツダイレクター、ダレン・コックスは述べた。「ファンのみなさん、特に若者層からは大きな反響をいただきました。富士山を背景にこのマシンがサーキットを走行するという、大変貴重な瞬間を体験しました。ル・マンに向けての我々の技術開発の取り組みは、大変大きな山を登っている最中です。若いファンのみなさんの反応を見れば、なぜそれに挑戦しているのか、その理由は一目瞭然です」「日曜日には、FIA WECのレースが悪天候の影響を受けてしまったことは残念ですが、私たちは、大切な日本のファンのみなさんのためにこのマシンを持ってくることができて、とても光栄に思います」