レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが2025年F1ラスベガスGP決勝で完勝し、タイトル争いの行方を再び大きく揺らした。ポールポジションからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)は1コーナーでラインを外し、フェルスタッペンに先行を許して主導権を失う展開に。ノリスは終盤にマシントラブルを抱えながらも2位を死守したが、フェルスタッペンはタイトル差を42点へ縮めた。
3位にはメルセデスのジョージ・ラッセルが入った。ステアリングに問題を抱えながらも後続を抑え込み、後方17番手から驚異の追い上げを見せたアンドレア・キミ・アントネッリを振り切った。しかしアントネッリはスタート手順違反で5秒ペナルティとなり、最終結果は5位に後退した。ピアストリは4位、被弾も巻き返しに成功/角田裕毅はピットレーンスタートから追い上げマクラーレンのオスカー・ピアストリは、オープニングラップの1コーナーでレーシングブルズのリアム・ローソンと接触し順位を落としたが、そこから着実に巻き返して4位フィニッシュ。ドライバーズランキングでは首位ノリスに30点差へと拡大した。フェラーリのシャルル・ルクレールは6位。ウィリアムズのカルロス・サインツJr.が7位で続き、8位にアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、9位にニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)、10位にルイス・ハミルトン(フェラーリ)が入った。ハミルトンは最後尾スタートからハードタイヤを活かしてポイント圏に食い込んだ。ハースF1チーム勢はエステバン・オコンとオリバー・ベアマンが11位・12位。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソが13位で続き、その後方に角田裕毅(レッドブル・レーシング)。角田裕毅はピットレーンスタートながら丁寧にレースを進め、14位でチェッカーを受けた。アルピーヌのピエール・ガスリーは1周目の1コーナーでスピンを喫し15位。ローソンは2周目のダメージにより修復を強いられ16位となり、フランコ・コラピント(アルピーヌ)が17位で完走した。一方、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)、ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)、ランス・ストロール(アストンマーティン)は接触やダメージによりリタイアとなった。■ スタート:ノリスが姿勢を崩し、フェルスタッペンが主導権を握るフォーメーションラップを終えたあと、ランド・ノリスがポールポジションに戻ってグリッドを整える。上位勢の大半はミディアムを装着し、キミ・アントネッリのみがソフトを選択。角田裕毅(レッドブル・レーシング)はパルクフェルメ違反の影響でピットレーンからのスタートとなり、こちらもミディアムでの序盤となった。スタートシグナルが消灯すると、ノリスはマックス・フェルスタッペンの進路を塞ぎに行くが、ターン1の入り口でマシンの姿勢を乱しワイドへ。フェルスタッペンがその隙を突いて首位に躍り出る。さらにジョージ・ラッセル(メルセデス)が好機を逃さずノリスをパスし、2番手に浮上した。中団では接触が相次ぎ、ランス・ストロール(アストンマーティン)とガブリエル・ボルトレト(ザウバー)が早々にリタイア。また、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)とリアム・ローソン(レーシングブルズ)の接触も確認され、スチュワードの調査対象になった。2周終了時点の順位は、フェルスタッペン先頭、ラッセル、ノリス、カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)の順。アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)も好スタートを決め、ピアストリは7番手へ下がっていた。■ VSCが導入される波乱の序盤:アントネッリに5秒、アルボンは接触の余波3周目、デブリ回収のためVSCが発動され、ローソンは壊れたフロントウイング交換のため緊急ピットイン。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)とアントネッリも同じタイミングでピットに入る。VSC明け、フェルスタッペンは1.4秒差でレースをコントロール。ハジャーはサインツJr.を射程圏にとらえ、後方ではピアストリとシャルル・ルクレール(フェラーリF1)が隊列を形成していた。6周目にはルクレールがオリバー・ベアマン(ハースF1チーム)をかわして7番手へ。トップ争いはフェルスタッペンとラッセルが僅差で競り合い、ノリスは単独走行へ移行していく。10周目、アントネッリはスタートの動作違反で5秒ペナルティが通知され、「どうして?!」と無線で驚きを示した。12周目にはルクレールが「アニマルのようにプッシュしている」と報告。13周目にはピアストリがグレイニングに苦しみ、ルクレールに先行を許す。15周目、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)とルイス・ハミルトン(フェラーリF1)の接触が確認され、その影響で発生したデブリにより再びVSCに。16周目のリスタート後はフェルスタッペン、ラッセル、ノリスが再び前に出てレースを組み立てていく。■ ピット戦略が動き出す中盤:アンダーカットが本格化18周目、ラッセルがハードへ交換して最初の上位勢ピットイン。19周目にはノリスがファステストを記録し、フェルスタッペンとの差を詰めていく。20周目、アルボンにジャンプスタートおよび接触の調査が入り、アントネッリの5秒罰が正式に適用。22周目、フェルスタッペンがペースを引き上げる中、ピアストリはハードへ交換し10番手で復帰した。23周目、サインツJr.とノリスがハードに交換。ピアストリはサインツJr.の前で戻り、戦略的に優位な位置を確保した。26周目、フェルスタッペンが3.0秒のピット作業でハードに履き替え、ラッセルの前でコース復帰。タイヤの暖気に苦しみながらもトップを維持した。■ アントネッリの異次元ロングラン:ピアストリとルクレールを抑える粘り29周目、フェルスタッペンはラッセルとの差を広げる一方、ノリスは2番手奪回を狙う。アントネッリは30周以上走ったハードでなお速さを維持し、「最後まで行く可能性」まで浮上。ジョリオン・パーマーも「見事な仕事だ」と称賛した。32〜33周目に各車のピット戦略が整理され、フェルスタッペン→ラッセル→ノリスの順に。ノリスはDRS圏に入り、チームから「フェルスタッペンを追うためにもラッセルを抜け」と指示される。35周目、ノリスがラッセルをスムーズにかわして2番手へ。ピアストリは苦しい展開となり、タイトル差が広がる懸念も生まれた。38周目、アントネッリは依然としてピアストリを抑え込み、さらにルクレールも巻き込んだ三つ巴の攻防へ発展する。■ 終盤:ノリスは燃料セーブ、ラッセルも迫る。勝負は最終盤へ40周目、ノリスはフェルスタッペンとの差を縮めることができず5.5秒...
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