ランド・ノリスが2025年F1ワールドチャンピオンに輝き、F1史上35人目の王者となった。アブダビGPで決着したタイトル争いは最終戦までもつれ込み、シーズン全体を通して数々の印象的な数字が刻まれた。ここでは、ノリスの世界王者シーズンを象徴する主要スタッツを整理する。
-- 0.698 --ノリスが2025年シーズンに挙げた勝利の中で、最小のタイム差(秒)での勝利が0.698秒だった。この記録は、シーズン5勝目となったハンガリーGPで生まれている。このレースでノリスは1ストップ戦略を採用し、フェラーリのシャルル・ルクレール、そしてチームメイトのオスカー・ピアストリの後方からスタートした。終盤になるとピアストリが猛烈な追い上げを見せ、レースはスリリングな展開となった。ピアストリは何度かオーバーテイクを試みたが、最終的に前に出ることはできず、ノリスは0.698秒差という僅差でチェッカーを受けた。-- 2 --ノリスがドライバーズチャンピオンシップを制した際、最終的に2ポイント差で退けた相手はマックス・フェルスタッペンだった。メキシコシティGP後にランキング首位を奪い返したノリスは、次戦サンパウロGP終了時点でピアストリに24ポイント差をつけていた。一方でフェルスタッペンは49ポイント差と大きく離されていた。しかしその後、フェルスタッペンが連勝を重ね、マクラーレン勢が苦戦する週末もあったことで、カタールGP終了時点ではフェルスタッペンが2位に浮上。ノリスとの差は12ポイントまで縮まった。アブダビGPでフェルスタッペンが勝利し25ポイントを加算したものの、ノリスはわずか2ポイント差でタイトルを守り切った。-- 6 --ノリスが2025年シーズン中に記録したファステストラップの回数は6回だった。2019年から導入されていた「ファステストラップ1ポイント」は2025年シーズンを前に廃止されたが、最速ラップを刻むこと自体は依然として大きな名誉である。ノリスは開幕戦オーストラリアGPで最初のファステストラップを記録し、最後は9月のイタリアGPでシーズン6回目の最速ラップを達成している。-- 7 --24戦で構成された2025年シーズンにおいて、ノリスは7勝を挙げ、同時に7回のポールポジションを獲得した。この「7」という数字は、チームメイトのオスカー・ピアストリにとっても象徴的で、ピアストリも同じく7勝・7ポールを記録している。ピアストリの勝利がシーズン前半に集中していたのに対し、ノリスの勝利は比較的均等に分布しており、オーストラリア(第1戦)、モナコ(第8戦)、オーストリア(第11戦)、イギリス(第12戦)、ハンガリー(第14戦)、メキシコ(第20戦)、サンパウロ(第21戦)でトップチェッカーを受けた。-- 8 --ノリスがドライバーズランキング首位として迎えたレースウィークエンドの数は8回だった。開幕戦オーストラリアGPで勝利したことで、ノリスは早々にランキング首位に立った。その後しばらく首位を維持したが、第5戦ジェッダ終了後にピアストリにトップを明け渡した。シーズンの多くでピアストリが首位に立っていたものの、第20戦メキシコGPでの圧勝によってノリスは再び首位に返り咲き、そのままタイトルを掴み取った。-- 13 --チーム内対決でノリスがピアストリを上回った回数は13回だった。予選での直接対決ではノリスが13勝11敗と僅差で上回り、両者ともに7回ずつポールポジションを獲得している。決勝での直接対決も同様に接戦で、ノリスが13勝10敗とリードした(両車が技術的違反で失格となったラスベガスGPは集計対象外)。-- 17 --ノリスの戴冠は、マクラーレンにとって17年ぶりのドライバーズチャンピオン誕生を意味した。同チームの前回のドライバーズタイトルは、ルイス・ハミルトンが獲得した2008年まで遡る。2024年にコンストラクターズタイトルを制したマクラーレンは、2025年にダブルタイトルを達成し、長い空白期間に終止符を打った。-- 18 --ノリスが2025年シーズンに表彰台に上がった回数は18回だった。7勝に加え、2位が8回、3位が3回。そのうちの1回が、タイトルを決定づけたアブダビGPでの3位フィニッシュである。24戦中、表彰台を逃したのは6戦のみで、内訳はリタイア2回(カナダ、オランダ)、失格1回(ラスベガス)、4位2回(サウジアラビア、カタール)、7位1回(アゼルバイジャン)だった。-- 30.324 --ノリスのシーズン最大の勝利マージンは30.324秒で、メキシコシティGPで記録された。この週末、ノリスはハンガリーGP以来約3か月ぶりの勝利を狙っており、予選で圧巻のポールポジションを獲得。決勝ではスタートからフィニッシュまで首位を譲らず、2位のシャルル・ルクレールに30秒以上の大差をつけて勝利した。-- 35 --ノリスはF1史上35人目のワールドチャンピオンとなった。1950年の初代王者ジュゼッペ・ファリーナから始まり、2021年から2024年まで4連覇を達成したフェルスタッペンまで、歴代34人に名を連ねる存在がいた。ノリスはそこに新たに名前を刻み、今後さらなるタイトル獲得への意欲を示している。-- 423 --ノリスが2025年シーズンに獲得した総ポイントは423ポイントだった。2025年に理論上獲得可能な最大ポイントは648ポイント(全24戦+スプリント6戦全勝)だったが、ノリスはそのうち65.3%に相当するポイントを積み重ね、僅差のタイトル争いを制してワールドチャンピオンに輝いた。