2025年F1ワールドチャンピオンに輝いたランド・ノリスは、シーズン最終戦アブダビGP後、F1 Correspondent & Presenterのローレンス・バレットによるインタビューに応じ、初戴冠の喜びと、その裏にあった思いを率直に語った。アブダビの豪華なパドックビルのひとつ、その屋上に設けられた撮影スペースの端にランド・ノリスが姿を現した瞬間、シーズン最終戦で3位フィニッシュを果たし、初のワールドタイトル獲得に必要なポイントを確保したその瞬間から彼の顔に刻まれている笑顔は、今もなおまぶしいほどに輝いていた。
彼は軽やかに椅子のところまで跳ねるようにやってきて「やあ」と声をかけ、体をくねらせながら座り心地を確かめる。マクラーレンのドライバーは、両手でマイクを握りしめたまま笑顔を崩さず、インタビューを始めたくてたまらない様子で、ローレンス・バレットの方を見つめている。こんなことはそうそう起こらないが、今は特別な時間だ。ノリスは高揚している。全身が汗とシャンパンでびしょ濡れになっていようとも、その高揚感を削ぐものは何もない。これは彼の瞬間だ。人生をかけて目指してきた、その瞬間である。ローレンス・バレットが改めて彼を「ワールドチャンピオン」と呼ぶと、ノリスはくすっと笑い、マイクをさらに強く握りしめながら、その笑顔はますます大きくなった。レースが終わってからすでに2時間ほどが経ち、すべての放送局を回るテレビペンでの取材を終え、さらにメディアを前にした長時間のチャンピオン会見をこなし、その後ガレージでチームと祝杯を挙げてきたはずだが、それでもまだ実感が湧いていないことは明らかだった。まったく、まだ現実感がないのだ。「僕たちが成し遂げたことを受け止めるには、少し時間が必要なんだ」とノリスは言う。「僕は夢を叶えた。あの小さな男の子の夢をね。6歳の頃、テレビで見て『僕もあれをやりたい』って思っていた自分がいて、今、ここにいて、それを実現している。これは本当にクレイジーだよ。だからまず最初に言わなきゃいけないのは、両親、ママ、パパ、兄弟姉妹、初日からそばにいてくれた人たちへの大きな感謝だ。本当に、ものすごい旅だった。マクラーレンとともに過ごした長い年月、浮き沈みもあった。でも今年、僕はそれらすべてに対して、一度に『ありがとう』を言えたと思う。コンストラクターズ(タイトル)とドライバーズ(タイトル)という形でね。いつ本当に実感できるのかは、正直分からない。正直に言うと、さっきトイレに行ったんだ。初めて一人になれて、静かで落ち着いた時間があって、そこで『ああ、やったんだ、やったんだ、やったんだ!』って思った。本当に、ついにこの感覚を味わえるのは信じられない。ほんのひとときでも、世界の頂点に立ったと感じられること。そして、自分にこれだけ多くを注いでくれたすべての人たちに恩返しができること。始まりは両親だったけど、エンジニア、メカニック、ファクトリーにいるみんなもそうだ。彼らはこの結果のために、本当に、本当に一生懸命働いてくれた。今日は言葉で『ありがとう』と言うだけじゃなくて、チャンピオンシップという行動そのものが、それ以上の意味を持っている。だから、世界中に向けて彼らに感謝したい」「自分は本当に幸運な人間だと分かっている」ノリスは、良い日であろうとそうでなかろうと、インタビューで長く語ることに慣れている。物事に正面から向き合い、説明し、正直でいる。それが彼のやり方だ。チャンピオンを獲得した今、その答えはさらに長くなった。チーム全体の努力であること、そしてこれまで支えてくれたすべての人たちを強調したかったからだ。それに、自分が成し遂げたことの途方もなさが、頭の中で渦巻いていて、簡潔に言葉にするのが難しかった。感覚が溢れ返っていた。彼が最初に抱きしめたのは、パルクフェルメで誇らしげに息子を待っていた両親だった。「とてもシンプルだよ」とノリスは言う。「彼らがいなければ、僕はここにいなかった。夢を生きるチャンスも、今の素晴らしい人生を生きることもなかった。僕は本当に幸運な人間だ。それは分かっている。だからこそ、自分がどれだけ恵まれているかも理解している。こんな若い年齢からカートに乗って、世界を旅して、今やっていることを楽しめる機会をもらえたんだから。今、僕は最大の形で『ありがとう』を言える立場になった。そして、恩返しができる。でも、この立場にいると、それは本当に難しい。いつも自分が受け取る側で、周りのみんなが支えてくれて、自分がスターみたいに見られるからね。でも、僕はその部分が好きじゃない。ただ、みんなが幸せそうにしているのを見るのが好きなんだ。それが世界で一番クレイジーな感覚だよ。自分がこれだけ大きな影響を与えられると知ること。そして、ママが泣いているのを見ること。パパもね。それが、これがどれだけ彼らにとって大きな意味を持っているかを物語っている」「これまでで一番良い仕事をしなければならなかった」ノリスはオーストラリアで勝利し、最高の形でシーズンをスタートさせた。しかしその後は、マシンへの適応に苦しむ中で、チームメイトのオスカー・ピアストリがタイトル争いを主導していった。ノリスも解決策を見つけ、モナコと母国シルバーストンで初勝利を挙げたが、ピアストリは勢いに乗り、夏休み前にかけて徐々に差を広げていった。ザントフォールトで2位走行中にノリスがストップし、ピアストリが勝利を収めたとき、ノリスは砂丘に座り込み、頭を抱えながら34ポイント差をどうやって覆すのかを考えていた。「あの時は、本当に人生がものすごく大変だと思った。そして、そこから先はずっとそうだった」と彼は振り返る。「これまでで一番良い仕事をしなければならなかった。たくさんのレースで勝たなければならなかった。常にチームメイトに勝たなければならなかった。常に全員に勝たなければならなかった。あの時点では、本当に重く感じた。1週末で彼に勝つことすら、やっとだったからね。シミュレーターでも、ここサーキットでも、エンジニアたちと一緒に、問題を理解し、これまで以上に深く掘り下げていった。より効率的になるために、いろんな人を巻き込んで、自分自身を理解し、自分からもっと引き出す方法、周囲の人たちからもっと引き出す方法、チームとしてどうすればもっと良くなれるかを考え続けた。そうしたすべての小さなこと。誰にも見えないし、誰も知らないこと。僕と、僕の周りのチームだけが知っていることだ。今日のような結果を出すために、彼らは本当に僕を後押ししてくれた。それを他の人に知ってもらう必要も、気にしてもらう必要もない。ただ、僕...