マクラーレンのランド・ノリスは、F1モナコGP金曜プラクティスを「楽しくもストレスの多い一日」と評しながらも、マシンのフィーリング自体には一定の満足感を示した。ただし、モナコ特有の路面条件とコースの性格により、マシンを「完璧なウインドウ」に持ち込むのが非常に難しいとも語っている。ノリスはFP1を3番手、FP2を4番手で終えたが、トップタイムを記録したフェラーリのシャルル・ルクレールとは約0.3秒の差があった。さらに、チームメイトのオスカー・ピアストリにも0.2秒ほど遅れた結果となった。
「ここを走るのはいつだってストレスがかかるけど、それでも本当に楽しい」とノリスは語る。「クリーンなラップをまとめるのが難しかったりもしたけど、最初から感触は悪くなかった。全体的にはポジティブなフィーリングだったけど、いくつかの部分ではまだ進化が必要だと感じている」パフォーマンス面ではまずまずの感触が得られていた一方で、チームメイトのピアストリはFP2後、「マシンとしっかり噛み合わない」と苦戦を口にしていた。ノリスはそれについても共感を示している。「オスカーがなぜ苦しんでいるのかを説明するのは難しい」とした上で、こう続けた。「でも、すべては小さなことなんだ。大きな問題があるわけじゃない。けれど、コンマ数秒を争うこの世界では、小さなことが積み重なると大きな差になる」「ブレーキング、コーナリング、タイヤ、グリップ、そしてフィーリング――全部を“完璧なウインドウ”に入れるのは本当に難しすぎる。正直、それを達成するための『一つの答え』なんて存在しない。いくつもの要素が絡み合っているんだ」マクラーレンのMCL39にはポテンシャルがあることをノリス自身も認めているが、それを最大限に引き出すには極めて精密なセッティングと走行条件が求められる。予選が決定的な意味を持つモナコでは、その精度こそが明暗を分ける。「金曜としては全体的に良いスタートだったけど、予選に向けてはまだやるべきことがある」とノリスは語った。ルクレールとの差を詰め、モナコでの上位進出を狙うには、土曜日の一発勝負で“完璧なウインドウ”を引き当てる必要がある。