ランド・ノリスは、マクラーレンが今シーズン中にアストンマーティンをコンストラクターズ選手権4位に追い上げることは「間違いなく可能」だと考えている。マクラーレンはMCL60マシンの開発目標未達成を認め、厳しいシーズンに備えて今年をスタート。その結果、大規模な技術的リストラが実施された。
一方、同じメルセデスエンジンのカスタマーであるアストンマーティンは、AMR23で飛躍を果たし、開幕から8レースで6回の表彰台を獲得してシーズンを開始した。しかし、マクラーレンが7月のオーストリアGP以降に一連のアップグレードを導入し始めてから、2チームの運命は大きく揺れ動いた。マクラーレンはそのラウンド以来、先週日曜日の鈴鹿でのダブル表彰台含む5回の表彰台を獲得しているが、アストンマーティンは過去9戦でトップ3フィニッシュを1回しか記録していない。その結果、マクラーレンは、カナダGP終了時点で137ポイントあったアストンマーティンとの差を残り6戦でわずか49ポイント差に縮めている。マクラーレンがアストンマーティンを打ち負かすことができると思うかと聞かれたノリスは 「こんなに近いとは思っていなかったよ。でも、49ポイントなら、間違いなくそう思う。残りレースも少なくなった。アストンがもう少し強くなるレースがいくつかあるだろうね」と答えた。ノリスはまた、マクラーレンが現在の順位を向上させるためには、両ドライバーがチームのポイント獲得に貢献していることによって促進されるだろうと主張する。ルーキーのチームメイト、オスカー・ピアストリは予選でノリスと接戦を繰り広げ、日本GPでは2番グリッドから初の表彰台を獲得した。しかし、アストンマーティンでは、アロンソが今季は全戦でQ3に進出して成功を収めている一方で、ランス・ストロールは苦戦を強いられており、2度のワールドチャンピオンに143ポイントもの差をつけられている。「いくつかのチームを除けば、ほぼすべてのチームと比較して、今のところ僕たちのアドバンテージは、このポジション、このポイントを争っている2人のドライバーがいることだと思う」とノリスは続けた。「現時点ではどのチームもそれを実現しているわけではない。そこが僕たちの助けになっていると思う」「僕たちはお互いに助け合うことができるし、利用し合うこともできる。それが現時点で他の多くのチームに対して僕たちが持っている良いアドバンテージだと思う。だから、僕らは上昇傾向にある」「僕たちは順調に進んでいるし、今日のような日は、まさにそれを証明している。これからも厳しいレースが続くだろうし、今日のように一筋縄ではいかないかもしれないけれど、今シーズンの進歩は僕の目から見ても信じられないほどだし、トップと18秒差、あるいは19秒差でフィニッシュできたのは、まさにその証拠だと思う。だからみんなを誇りに思うし、これからもプッシュし続ける」オーストリアGP以降、両チームが同じペースでポイントを重ねれば、アブダビGPのチェッカーフラッグが振られた時点でマクラーレンはアストンマーティンを17ポイント差で追い抜くことになる。今季4度目の表彰台を獲得したノリスは、ドライバーズランキングでジョージ・ラッセルと同ポイントに並び、フェラーリのシャルル・ルクレール(チームメイトのカルロス・サインツとはさらに15ポイント差)とは20ポイント差に迫っている。