小林可夢偉が、3戦連続でポイントフィニッシュを果たしたブラジルGPを振り返った。インテルラゴスは、2009年に小林可夢偉がトヨタでF1デビューを果たしたサーキット。1年ぶりに戻ってきた可夢偉は、気持ちに余裕を持って挑めたと語る。「去年このブラジルでトヨタからF1デビューをした時、次のレースはほとんどないと思っていたんです。ともかくあれは一生に一度あるかないかの大事なレースでした」と小林可夢偉は語る。
「でも、初めてのことばかりで何から勉強していけばいいんだろうという感じだったし、厳しい部分もいっぱいありました。だから1年ぶりに来てみたら、去年とはずいぶんと風景が違って見えました。気持ちに余裕ができて視界が広くなったのかもしれませんね」金曜日のフリー走行を12番手で終えた小林可夢偉は、C29の直線スピードが劣っていることを痛感したと語る。「金曜日は路面自体が走り出したら良かったし、僕らのクルマもそこまで悪くはないんじゃないかなと感じてました。ただやっぱり、このコースでは直線で負けている部分があった。最終の全開区間はただ登っているだけじゃなくて、曲がってもいるからより抵抗が大きいですからね」予選はウェットでスタートしたが、セッションが進むにつれて路面はドライに。フロントタイヤに負担がかかるC29では12番手は最大限の結果だったと可夢偉は語る。「予選ではクルマもタイヤも路面が濡れているときは問題なかったんですが、路面が乾いてくると、クルマの傾向としてどうしてもフロントタイヤに負担がかかって、結局最後は1周しかもたなかった。Q3までもう少しだったんで惜しいですけど、状況を考えたらこれが最大限の結果だったかなと思います」プライムタイヤでロングスティントを走る戦略をとった小林可夢偉。しかし、オープニングラップの混乱で大きく順位を落とした。「決勝レースのスタートは悪くなかったんですけど、2コーナーでシューマッハが誰かに押し出されていたんで、その脇をバトンの後ろにくっついていこうとしたら、シューマッハが戻ってきて僕が外に押し出されてしまったんです。コースに戻ってターン4でブレーキを踏んだら、芝生の上を走ったせいか右のリヤが全然グリップしなくてロズベルグに抜かれてしまった。その時僕はイン側のラインにいたんですけど、ロズベルグにすごいラインを閉められて、ズルズルっとトラクションがかからないときに、ニックにもいかれた。まああれがなければ展開としては楽だったかもしれないですが、これもレースなんで仕方がないです」「プライムタイヤでのペースはそこまで悪いわけではなかった。ただ、ほぼ毎周フロントタイヤがロックしてフラットスポットができていたので、もたせるのは結構大変でしたけどね」レース中盤に新品のオプションに変更した小林可夢偉だが、運が悪いことに数周後にセーフティカーが導入。新品タイヤの強みを生かすことができなかった。「タイヤ交換はウェバーが来るタイミングを見ていました。それであのラップに入ったんですけど、その後のセーフティーカーが入ったのがよくなかった。せっかく新品のオプションを履いたのにタイヤが冷えてしまったし。あと2周タイヤの交換を遅らせてSCの時に入れていたらまた状況は違ったかもしれませんが、それも運なんでしょうがないです」「トロロッソの2台の前に出ましたけど、ラップタイムは僕の方が速くてもやっぱり直線が遅くて簡単じゃなかったです。彼らも同じエンジンなんですけどね。ルノーのクビサはもっと直線が速くて相手になりませんでした」「レースでも僕たちのクルマの問題点が浮き彫りになったと思います。このクルマでも直線が速ければずいぶんとレースの展開は変わっていたと思う。ただ1ポイ ントは獲れたし、次のアブダビでも焦らずにポイントを獲って、気持ち良く来年につなげたいと思います。応援よろしくお願いします」
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